新たなる和の世界『とめはねっ!鈴里高校書道部』

とめはねっ! 鈴里高校書道部 7 (ヤングサンデーコミックス)

ブログやメールによって、文章をつづる機会は増えている。しかし文字を‘書く’習慣は格段に減っている。例えば履歴書。以前は手書きに限ると言われていたが、昨今はパソコンで作成したものが増えつつある。またそろそろ年賀状の時期だが、メールの登場によって、確実に数を減らしている。そしてここでも手書きのものは珍しいくらいだ。パソコンソフトでは、年賀状ソフトが売れ筋のひとつであり、少しの工夫と時間で見事な年賀状を作ることができる。じっくり腰を落ち着けて年賀状を書く、それも毛筆で。この習慣は確実に減っている。

ところがここ数年、書道の世界に変化が起きている。それはデザイン書道やパフォーマンス書道の登場だ。前者は毛筆で書いたものをパソコンなどで加工し活用したもの。後者は音楽などに合わせて書道を行うパフォーマンスである。これらによって書道に注目が集まるようになってきたため、これをきっかけに書道文化を盛り上げようと考える人は少なくない。今年の5月には、映画『書道ガールズ!! わたしたちの甲子園』が成海璃子、金子ノブアキなどの出演で公開された。これは実話を元にした青春ストーリーで、書道パフォーマンスにかける高校生達が画面せましと活躍する。

書道をテーマにした漫画には『ラブレター』(若狭たけし)、『書きくけこ』(くさか里樹)などがある。最近では、小学館ビッグコミックスピリッツで連載中の『とめはねっ! 鈴里高校書道部』(河合克敏)が人気だ。帰国子女の男子高校生、大江縁(おおえ ゆかり)を主人公にして、主人公達が書を通じて、ライバル達と切磋琢磨することにより、書の奥深さを知り上達していく。大江縁は帰国子女で、やや日本語に疎い設定になっているため、彼に説明する形をとるなどして、漫画内で書道を含めた日本文化を分かりやすく解説している。もちろん前述したパフォーマンス書道も登場する。今年の1月には、朝倉あき、池松壮亮などの出演でNHKでドラマ化され、ますます人気化した。

『とめはねっ! 鈴里高校書道部』のコミックスは7巻まで発売中。書道以外の進路や恋愛などの要素も複雑に絡んで、意図しない関係に進んでいくのも面白そうだ。書道に興味のある人にはもちろん、興味のない人にもお勧めの漫画だ。

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