重厚な好作、ドラマ『モリのアサガオ』スタート

モリのアサガオ―新人刑務官と或る死刑囚の物語 (1) (ACTION COMICS)

死刑判決の可能性の高そうないくつかの事件が、いよいよ裁判員裁判で扱われようとしています。選出に漏れた裁判員の「選ばれなくて良かった」旨の意見が、新聞に掲載されていましたが、同感した人も少なくなかったのではないでしょうか。実際、控訴なども含めて死刑判決が確定するのはまだ先ですし、死刑が執行されるのも更に先でしょう。ただしその度ごとにニュースが世間を賑わせることになりそうです。

刑務官を主人公、死刑囚のいる拘置所を舞台に描かれている作品が、郷田マモラの漫画『モリのアサガオ』です。独特なタッチの漫画で、好みの分かれるところだと思いますが、描かれている内容は死刑制度や死刑囚を正面から取り扱った作品です。双葉社の漫画アクションで連載され、コミックス全7巻が発売されています。

この『モリのアサガオ』がテレビ東京系列でドラマ化されています。
去る18日、第一話「新人刑務官と死刑囚心動かす“絆”物語」が放送時間を拡大して放送されました。主人公の新人刑務官を演じるのは伊藤淳史。恋人に香椎由宇。一話のゲストとして、死刑囚に中村獅童、六平直政が登場。ゲスト以外の死刑囚には柄本明、温水洋一らが出演しています。それぞれの死刑囚が良い味を出していました。主人公の伊藤淳史が、かすんでしまうくらいに。

ストーリーに重厚さがあり、出演者の演技もさすがと思わせるものがあります。ただ『華がないなぁ』と。もちろんドラマに不可欠なものではないものの、漫画作品ファンや死刑制度などに興味を持つ人以外を引き付けるにはインパクト不足に思えます。舞台が舞台だけに、必然的に女性が少なくなってしまうのも仕方ないことなのですが。また同じ時間帯に『SMAP×SMAP』や『報道ステーション』があるので、視聴率は厳しいかもしれません。

これからのストーリーは、主人公が子供時代に憧れていた先輩(ARATA)が、犯罪を犯して死刑囚となり、主人公のいる拘置所に移送されてきます。彼と主人公の関わりを中心に、話が展開していくようです。死刑囚を扱っている以外には、地味で目立たない作品です。しかし見て損のない作品だと思います。

【関連URL】
・テレビ東京『モリのアサガオ』公式サイト
http://www.tv-tokyo.co.jp/moriasa/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。