絶園のテンペスト (10)(完) (ガンガンコミックス)

『絶園のテンペスト』10巻特別編で完全完結!

絶園のテンペスト (10)(完) (ガンガンコミックス) アニメも終了し、本編も完結した『絶園のテンペスト』が、特別編で最終巻を刊行した。

本編のあらすじは以下を参照。
アニメ2クール目突入!『絶園のテンペスト』最新刊発売!

【みどころ】
本編は真広の機転で見事に解決し、それぞれのこれからを予感させる最終回となった。そして今回発売された、正真正銘の最終巻、10巻は、『特別編』と銘打ってあるように、本編より前、及び後の時間軸を描いた短篇集である。
まずは事件が始まった頃、真広が助け、後に彼女となる美森との最初の出会いの話である「新しい彼女の話」。
若かりし早川が、祖父の遺言で遺されたフロイライン山本と出会い、相変わらずの会話のキャッチボールを描いた「長靴をはいた猫」。
ファミレスで皆に隠れてバイトをする葉風が、チーフの元親友と元彼女との密室殺人を推理する「ファミレスの『りべさん』」。
苦労人・左門の結婚後の更なる苦労を描いた「左門さんその日その日」。
羽村の元彼女、ゆっちゃんの体験した怪談と、その後の羽村との出会いを描いた「待つ女」。
葉風のバイト先にメンバーが集って大団円を迎える「閉幕・手を」。
6編の短編に、あの事件の前後の彼らの日常が込められている。原作の城平京氏いわく、「劇的な変化を描かない」という方針通り、特に込み入った事件は起こらないものの、さくさくと読ませる日常をうまく切り取っている。
愛花が登場しないのが残念ではあるが、葉風の成長や、フロイラインの変わらなさ、羽村の偶然の人助けなど、興味深い要素が散りばめられている。最後は吉野も少しは成長したのかな?と思わせる、「この後は読者のご想像にお任せします」的終末になっているので、自由に彼らの今後を想像しながら読みふけりたい一冊だ。

【作品データ】
・作者:原作/城平京 構成/左有秀 作画/彩崎廉

・出版社:スクウェア・エニックス
・刊行状況:全10巻

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