HK 変態仮面 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

【映画編】蘇った伝説のカルト漫画『HK 変態仮面』レビュー

HK 変態仮面 1 (ジャンプコミックスDIGITAL) パンティを顔面にかぶった正義のヒーロー・変態仮面。

およそ20年前に週刊少年ジャンプ読者を魅了した伝説的アブノーマル漫画『究極!!変態仮面』が、2013年春に長いチン黙をやぶり劇場映画『HK 変態仮面』として公開された。夏にはDVDも発売。ネット通販サイト、アマゾンドットコムには50件以上のレビューが投稿され、平均スコア4.5という驚異的な評価を叩き出している。今回はその実写版レビューをお届けしたい。

原作コミックのレビューはこちら

初期設定は原作とほぼ変わらず、両親から変態の血を受け継いだ色丞 狂介、メインヒロインの姫野 愛子という2人を中心に展開される。狂介役の鈴木亮平はこの作品のため、およそ1年かけて肉体改造を行なったそうで、そのムキムキぶりは想像以上の完成度だ。

そんな恵まれた肉体をもつ狂介だが、気弱な性格なので拳法部ではろくに活躍できないお荷物状態(原作設定では通常時もそこそこ強かった)。だが愛子が銀行強盗の人質になった時、助けようと忍び込んだ銀行の女子更衣室で“偶然”パンティをかぶってしまい、初めて変態仮面として覚醒。その後もあちこちで悪党を成敗し、マスコミにも取り上げられるヒーローとなっていく。変態仮面としての知名度が上がるにつれ「違う。僕は変態じゃないのに……」と苦悩しながら、狂介が理想と現実のギャップに悩むシーンは意外にシリアスだ。

中盤からは脚本・監督の福田雄一が(いい意味で)暴走し、どんどんオリジナル展開になっていく。ヒーロー作品でよくある“主人公と対極になる悪者ヒーロー”も登場し、とんでもないアブノーマル性癖で本家の変態仮面を追い詰めていくシーンなどは圧巻。このニセ変態仮面を堂々と演じた安田顕の怪演ぶりは必見だ。「そりゃないだろ!」と大笑いしてしまうラストまで怒濤のストーリーが続く。

漫画作品の実写化はかなりの確率で「原作ぶち壊し」の危険を伴うが、この『HK 変態仮面』にそういった心配は不要。全編にわたって原作『変態仮面』へのリスペクトがちりばめられ、肉体とCGを駆使した“変態秘奥義”の再現度もきわめて高い。原作を読んでから映画を見るもよし、いきなり映画から入門するもよし、の仕上がりになっている。

公式サイトも楽しいギミックがたくさん仕込まれているので、ぜひ一度体験してみてほしい。

【関連URL】
・『HK 変態仮面』オフィシャルサイト
http://hk-movie.jp/

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