同人ゲームから始まり、今やその名は誰でも知っていると言っても過言ではないホラーゲーム「ひぐらしのなく頃に」。過去記事については記事末尾を参照。
さて、本編完結の後は、運命に打ち勝った後の梨花を描く『賽殺し編』です。
【あらすじ】
昭和58年の夏、ようやく運命に打ち勝った古手梨花(ふるで・りか)。理想の世界を仲間と満喫していると、羽入からの指摘が。意地になる梨花は、不慮の事故により、またも違うカケラに飛ばされてしまう……。
【みどころ】
長かった『ひぐらしのなく頃に』本編も終了し、そのアフターストーリーとなる本編。昭和58年の夏を超え、嬉しさのあまり調子に乗ってトラックに轢かれてしまう梨花。目が覚めるとそこは診療所だったが、入江も鷹野もおらず、診療所名は「タカノクリニック」となっていた。その世界では悟史は健在で、沙都子は梨花の親友ではない。老人たちも梨花を崇めたりしない。かつて経験したことのない世界に戸惑う梨花。しかしそこには、羽入さえいなかった……。
梨花は気付く。この世界は全ての人にとって、サイコロの「6」の目が出た世界なのだ。だから高野一二三教授が認められて鷹野三四は存在せず、入江診療所もない。悟史は失踪せず、それ故に沙都子はわがままに育ってしまっている。圭一も都会で事件を起こさなかったので雛見沢に転校してこず、梨花は昼ごはんを食べる仲間すらいない、淋しい学校生活を送ることになる。
やがて祭具殿で羽入と交信できるものを見つけるが、力が弱く、羽入にもどうしようもないという。梨花は一人でこの世界で戦い、一人であの平和な日々に戻らなければならなかった。しかし、それでは本当の「古手梨花」はどうなるのか?考え始めると不安がのしかかってくる。そんな梨花が選んだ道は果たして……。
鈴羅木かりん先生の愛らしい作画に、苦悩する梨花が萌える。ラストシーンの梨花が戻ってくる描写には涙さえするだろう。残酷だが幸せな、アナザーストーリーだ。
【作品データ】
・作者:原作・監修/竜騎士07 作画/鈴羅木かりん
・出版社:スクウェア・エニックス
・刊行状況: 全1巻
【参考記事】
・今さら聞けない『ひぐらしのなく頃に』入門講座
・コミック版『ひぐらしのなく頃に』を紐解く・その一『鬼隠し編』
・コミック版『ひぐらしのなく頃に』を紐解く・その二『綿流し編』
・コミック版『ひぐらしのなく頃に』を紐解く・その三『祟殺し編』
・コミック版『ひぐらしのなく頃に』を紐解く・その四『暇潰し編』
・コミック版『ひぐらしのなく頃に・解』を紐解く・その一『目明し編』
・コミック版『ひぐらしのなく頃に・解』を紐解く・その二『罪滅し編』
・コミック版『ひぐらしのなく頃に・解』を紐解く・その三『皆殺し編』
・コミック版『ひぐらしのなく頃に・解』を紐解く・その四『祭囃し編』