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永遠の夏がよみがえる――「まつもと泉初原画展“きまぐれオレンジ★ロード”」取材記【前編】

 

[ヒント1]“麦わら帽子”が重要なキーアイテム
[ヒント2]掲載誌は週刊少年ジャンプ
[ヒント3]国内外に広くファン層をもつ
[ヒント4]アニメも人気が高い

これらのヒントから、いまの若い読者なら『ONE PIECE』をまっさきに連想するかもしれない。しかし古くからの漫画・アニメファン、とりわけ80年代に青春をすごした人たちにとっては違った原風景があるのではないだろうか。彼らの多くは当然のように答えそうな気がする。“それって『きまぐれオレンジ★ロード』のことでしょ?”――と。

2010年、東京・青山で「まつもと泉初原画展“きまぐれオレンジ★ロード”」がスタートした。期間は9月11日~20日(1st)、9月23日~10月3日(2nd)。漫画・アニメ・ゲームなど日本が誇る文化資産を国内外へ配信し続けてきたギャラリー「GoFa(株式会社マットが母体)」によるイベントだ。


        (C)Izumi Matsumoto

 今回はその原画展を取材させていただく機会があったので、前後編と番外編にわけて紹介していきたい。原画展の様子は【後編】以降にゆずるとして、まず【前編】では未読の人、記憶が薄れてしまった人のために『きまぐれオレンジ★ロード』という作品について情報をまとめてみる。

■『きまぐれオレンジ★ロード』とは

優柔不断な少年・春日恭介が主人公(実は超能力者)。転校先でクールな美少女・鮎川まどかに出会い、次第に惹かれあっていく。ところがまどかの妹分・檜山ひかるも恭介を好きになってしまったことで、ハラハラドキドキの三角関係が繰り広げられる……。これが全編を通しての中心的ストーリーだ。

休載をはさみながら1984~1987年にかけて週刊少年ジャンプで連載。ジャンプコミックスは全18巻。のちに文庫版と愛蔵版がそれぞれ全10巻で刊行され、全20巻の電子コミックとしても入手することができる。ちなみに同時期の連載作は『北斗の拳』『ドラゴンボール』『シティーハンター』『聖闘士星矢』など、ジャンプ黄金時代とよぶにふさわしい豪華な顔ぶれ。

そうした中で激しいバトルではなく“ポップな日常ラブコメ”路線を選んだ『きまぐれオレンジ★ロード』は新たな読者層の獲得に成功。超能力やタイムスリップといったSF要素も巧みにストーリーへ取り入れながら、あくまで正統派のラブストーリーとして展開していった。そっけない態度に愛らしさを秘めたメインヒロイン・まどかの人気は非常に高く、彼女を「ツンデレヒロインの元祖」と評する声も多い。

テレビアニメは1987年から全48話で放映。ほかにOVA、劇場アニメ、小説などメディアミックスは幅広い。

なお、連載時のアシスタントとして萩原一至や岡崎武士といった、のちのメジャー作家も参加。最終巻のスタッフクレジットでその名前を確認することができる。

■作者とその周辺
(※作者公式サイトWikipediaの当該項目、GoFa礒野代表のお話などを参考にしました)

富山県出身、東京都在住。1958年生まれ。1982年に正式デビューを果たし、代表作は『きまぐれオレンジ★ロード』『せさみ★すとりーと』。デジタルコミック媒体『COMIC ON』のプロデュース&執筆も手がける。

2004年には脳脊髄液減少症が判明。原因は幼いころの交通事故で、『きまぐれオレンジ★ロード』連載時からすでに体調不良はあったという。さらにタクシーによる追突事故被害(2007年)、仕事場での転倒(2009年)などで体調を崩したことが公式サイトの日記上で語られている。

脳脊髄液減少症という病気を世間に知ってもらうため、メディアへの出演や「脳脊髄液減少症をテーマにした書き下ろしマンガ」執筆にも着手。まだストーリーや正式タイトルは発表されていないが、「三五館からの刊行」「上下巻にわかれる」「少女が主人公」といった断片的な情報が出てきている。

現在は体調が回復してきているとのことで、つい先ごろ台湾で開かれた「動漫芸術展@台北 Edge Asia Fantastic Art Circus」への参加、10月2日にGoFaで予定されているサイン会など、イベントに顔を出す機会も増えたようだ。

また、10月29日からスペインのバルセロナで開催されるイベント「Salon de Manga」にもゲスト参加が決まっている。ページの最後に公式サイトへのリンクを載せておくので、気になる方はチェックされたい。

ちなみにGoFaの礒野代表によると「実は今回の原画展も、おしのびで何度か来られてますよ」とのこと。これから原画展を訪れようという人は、いきなり背後にまつもと先生が立っていても腰を抜かさないようにご注意。

(後編に続く)

【関連URL】
・まつもと泉 公式サイト「WAVE STUDIO Homepage」
http://www.comic-on.co.jp/

・[GoFa]  ウェブサイト
http://www.gofa.co.jp/
http://www.gofa.co.jp/art/100911_matumoto/index.shtml(※原画展の詳細ページ。サイン会やじゃんけん大会の情報もこちら)

・Salon de Manga 公式サイト
http://manga-xvi.ficomic.com/
http://manga-xvi.ficomic.com/AUTORS/default.cfm(※ゲスト情報ページ)

・三五館
http://www.sangokan.com/
(※2010/09/28現在、まだ新作の情報は掲載されていない)

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