先ごろ、マンガ大賞2010が発表された。個人的に本命と思っていた『宇宙兄弟』は、惜しくも2位。大賞は『テルマエロマエ』となった。『宇宙兄弟』は、マンガ大賞の要綱(巻数が8巻まで)に外れてしまうので、今年が最後のチャンスだったのに残念。
このマンガ大賞2008の第1回で受賞した作品が、『岳 みんなの山』(コミックスでは『岳』)だ。山岳救助隊を題材にした漫画で、救助ボランティア団体に所属する島崎三歩を主人公として、山やそれに関わる人々との話が展開している。
作者の石塚真一は、自らもロッククライミングをたしなみ、その経験が作品の随所に活かされている。同氏にとっては、この作品が初の連載だが、2008年にマンガ大賞、2009年に小学館漫画賞一般向け部門を受賞した。現在、ビッグコミックオリジナルで連載中。単行本は11巻まで発行されている。
この『岳 みんなの山』の映画化が、東宝で着々と進行している。題名はコミック準拠か『岳-ガク-』となっている。主人公の島崎三歩を演じるのは小栗旬、同僚の女性隊員、椎名久美には長澤まさみ。他に佐々木蔵之介、市毛良枝、石田卓也など、なかなか納得させるキャスティングとなっている。監督は『木更津キャッツアイ』や『タイガー&ドラゴン』の片山修。同氏にとっては、『ヒートアイランド』に続く映画監督2作目となる。
山をテーマとした映画では、2009年に『劒岳 点の記』が同じ東宝で配給された。新田次郎の原作が骨太な作品に仕上がり、地味な作品と言われることもあったが、興行収入は25億円とヒット。数々の受賞にも繋がった。
さて『岳-ガク-』はどうなるだろうか。