漫画やドラマや映画の題材に、司法の場が選ばれることはよくある。しかし最近、さらに切り口を増やしているようだ。これは裁判員制度の普及もあるだろう。司法分野そのものが話題に上ることが多くなった。
裁判員のいない二審の判決でも、裁判官の判断に変化が生じてきたとも言われている。これまで一般国民の感覚から乖離した判断がなされてきたことに、違和感を覚えていた人は多かったはず。司法の場が身近になると共に、内容も国民感覚に近いものになって行くのかもしれない。ただし裁判員制度を含めて、まだまだ流動的な面は少なくない。振り子が反対に振れるように、再び閉鎖的な面が強くなることも考えられる。司法のみならず、立法、行政を合わせて注目して行かなくてはならないだろう。
プロフェッショナルの世界に、全く違う分野から飛び込んで活躍する主人公。そんなストーリーは無数にある。違った感覚を持つが故に、閉鎖的な体制や凝り固まった思考を打破し、改革へと結び付けていく。分かりやすく、それでいて痛快な展開が、読者や視聴者の共感を得やすいのだろう。漫画『東京地検特捜部長・鬼島平八郎 眠らぬ鬼』もその一つだ。
日本文芸社の別冊漫画ゴラクに連載されていたこの漫画は、題名の通り東京地検特捜部が舞台。主人公の鬼島平八郎は、様々な職を経験した後に、検事を志した叩き上げの実力者。その志を曲げることなく、巨悪に向かって容赦なく立ち向かっていく。まさに現代に求められる骨太のヒーローとも言えよう。
この漫画がダウンタウンの浜田雅功の主演で、テレビドラマ化されることになった。放送にあたって、主人公の鬼島の所属が、地方検察庁の新人検事となるなど、設定が大きく変更されている。そしてヒロインで同僚検事に内田有紀、その他キャストに西村雅彦、松重豊、浜田岳、西山茉希など個性的な実力者が決まった。
注目されるのは、やはり主演の浜田雅功だろう。お笑い芸人、ダウンタウンの浜ちゃんとして、相方の松ちゃんに鋭いツッコミをする場面が思い浮かぶ。ドラマでは悪に対して、どのように鋭いツッコミを見せてくれるのか楽しみだ。
【関連URL】
・朝日放送『検事・鬼島平八郎』サイト
http://onijima.asahi.co.jp/