明日の王様 (10) (ヤングユーコミックス)

【大人女子に薦めたい!この漫画】舞台作家を目指す女性のハートフルサクセスロマン『明日の王様』

明日の王様 (10) (ヤングユーコミックス) 【あらすじ】
田舎育ちの素朴な女子大生・小竹谷有(ささや ゆう)は、大学のクラスメイトから誘われて見に行った芝居に魅せられて、役者を志す。その舞台に出演していた役者・櫟十也(いちい とうや)の紹介で、劇団「牙乱洞(がらんどう)」に入団。しかし、別劇団で代役を頼まれた初舞台で大失敗してしまう。自分に役者の才能がないことを思い知らされる有だったが、その後、「牙乱洞」の団長・嶋村に脚本と演出の才能を見出され、劇作家としての道を歩み出す。

いつか十也を主役にした舞台「逆歳の峠」を上演することを決意して、日々まい進していく有だったが…

【見どころ】
この作品の何よりの魅力は、ヒロイン・小竹谷有のどこまでもまっすぐな姿です。

田舎育ち、三つ編みに2つ折りのソックス、化粧っ気もない素朴な女の子・有。
特技といえば、「かれいの煮つけ」がおいしくできること。
そんな有ですが、生まれてはじめて見た舞台に、自分の生きがいを見出します。

舞台といえばもちろん役者と、劇団の門を叩く有。
演技ド素人の彼女は当然相手にしてもらえないのですが、
その持前のガッツで、いつのまにか劇団「牙乱洞」の一員となってしまいます。

しかし、はりきってのぞんだ初舞台で大失敗。
その失敗の瞬間に有は、「自分に役者の才能はない」と確信してしまうのです。

それでも有はその落胆からすぐに立ち上がっていきます。
舞台に関わるのは役者だけではない。きっと、自分にもできることがあるはず。
そして、有は劇作家としての道を歩み出すのです。

もちろん、その道は決して平たんなものではありません。
脚本を仕上げようとすると、周りからあれこれダメ出しの連続。
苦労して脚本を書き上げるも、稽古に入ると役者は思っていたようには動いてくれない。
有は進むたびに壁にぶつかりっぱなしです。

しかし、それでも明日を見続けています。
つらいことがあっても、彼女はいつでも自分の脚本や役者たちから
目を背けることなく、向かい合って、そして乗り越えていくのです。

前向きすぎるキャラクターというのは、現実味がなかったり、ポジティブさがどうにも鼻についてしまう場合があります。

ですが、この作品の有は、ただ前向きなだけでなはありません。 彼女がときにがつんとやられて落ち込んだり、くやしさからなげやりになったりというところも、きちんと描かれています。だからこそ、有の姿に共感を覚えることができるのです。

なにより、落ち込みながらも、根本に雑草のような強い魂を持つ有。
彼女が落ち込みから立ち直っていく姿は 非常に魅力的で、彼女のように生きていたいと感じさせるのです。

有の前向きなパワーに周囲の舞台人たちも引き込まれていきます。

声のよさを有に見込まれて、強引に主役に抜擢され、戸惑いながらも
次第に女優として開眼していく大原。

有の舞台に注目し、いつしか彼女のライバルとなり、
刺激しあっていく舞台作家兼役者の数馬倫。

有と出会ったことで、新しい世界を知り、役者として成長していく 歌舞伎界のプリンス・藤之輔。

そして、有と出逢い、彼女から元気や刺激をもらいながら、彼女を誰よりも認めるようになる十也。

そう、有は、どんなに落ち込んでも、それでもいつでも明日を信じて、自分も周りの沢山の人も元気にしていく、まさに「明日の王様」なのです。

舞台作家を目指す前向きな女性のハートフルロマン。
夢を目指して頑張っている大人の女性に読んでほしいです。

【作品データ】
作者:谷地恵美子
出版社:集英社
刊行状況:全10巻(完結)

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