急展開はクライマックス予感!?『このSを、見よ! クピドの悪戯』

【あらすじ】
ケーキ職人である主人公の鵜守田倫は、どこにでもいる至って普通の青年――ただし1点の特殊体質を除けば。彼には生まれつき、左臀部に痣があった。スティグマと呼ばれるその痣には、女性が見ると、瞬間的に強烈な肉欲を感じ、肉体的にも精神的にも痣の持ち主を求めるようになるという特殊な力がある。倫が好意を寄せるヒロインである、女医の泉宮千鶴、もう一人のヒロインである大学生の斑鳩真琴。そんな彼女らを巻き込んだ、スティグマによって展開されるどこか悲しさを漂わせたラブストーリー。

【みどころ】
1985年に『空色み~な』(少年ビッグコミック)で若干19歳の時に漫画家デビューした北崎拓。早熟の漫画家は、その後10作の作品を世に送り続けてきたが、その名を有名にしたのは、2004年からスタートして現在も連載中の『クピドの悪戯』シリーズ。『虹玉』~『このSを、見よ! クピドの悪戯』まで9年間に渡り5部作続くシリーズものを提供している。

特徴的なのは、現実感のあるキャラクター設定と、非現実的な「スティグマ」という架空事象を組み合わせた、ストーリーテイラーとしてのバランスにある。また、画力に関しても恐らく意図的だろうが、作風と見事にマッチングする。

正直なところ、スティグマという痣を持つ主人公の倫を羨ましいと思ったことは1度や2度ではない。しかし、当初あった羨ましいという感情は、読み進めていく内に同情も同居しだした。スティグマのせいもあり、内向的な人格を形成されていった倫。その性格と周囲の環境から、本当は両思いの初恋相手である千鶴ちゃんを、鳳委員長に奪われた。失意の倫は、幼馴染みでもあり、勤め先である洋菓子店La Colombeの一人娘真琴と結婚を前提に、お店を切り盛りする。真琴との旅行中に、真琴が小さい頃に、倫のスティグマを見ていたことに気づく。自身のスティグマに嫌気がさした倫は、最後に1度だけスティグマを使うことを決意する。その相手は、もう想いが叶わないはずの千鶴ちゃんだった。

千鶴ちゃんに近づくために、ドライとなった倫は形振り構わず、情報を集めにかかる。そんな倫の前に現れたのは、実の父である鵜守田睦実。明かされる倫出生の秘密、同様の力を持って生まれてきた、男としての睦実の葛藤と、母・玲子との出会いの話し。物語は急展開する。揺れる千鶴ちゃんの想い、倫のとる行動とは。男子必読!!

【作品データ】
作者:北崎拓
出版社:小学館
刊行状況:13巻(続刊)

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