HUNTER×HUNTER 32 (ジャンプコミックス)

2ヶ月連続コミックス発売!『HUNTER×HUNTER』と作者・冨樫義博に想うこと

HUNTER×HUNTER 32 (ジャンプコミックス) 最近どうも世の中が「待つ」という行為に慣れてしまった感がある。行列のできるラーメン屋、少しでも安くチケットを購入しよう、と列をなす金券ショップ。街を見渡しても「待つ」人達を見る機会は少なくない。

2012年12月4日に発売された『HUNTER×HUNTER』31巻の週間売上げは、68.4万部を達成したという。2位につけた『黒子のバスケ』が売上げが43.0万部ということを考慮しても、連載休載中の作品としては、異例の高数字といえる。

現在、週刊少年ジャンプで連載されている『HUNTER×HUNTER』。『てんで性悪キューピッド』で連載デビューを果たし、『幽☆遊☆白書』などのヒット作を世に送り出してきた冨樫義博が、1998年に本作をスタートさせて15年目を迎える。

簡潔にストーリを述べると、主人公のゴン=フリークスがハンターとなり、(ハンターとは作品上のもので、架空の職業となる)父を探すという目的の中で、様々な人々と接し、また死闘を繰り広げる中でゴンや仲間の成長していく姿を描く冒険ファンタジーだ。

もっとも上述の内容、と簡単にカテゴライズしてしまってよいほど単調な作風ではなく、作中に目を向ければ「冨樫ワールド」と表現しても差し支えないような、遊び心と独自の世界感が垣間みれる。

しかし、その「冨樫ワールド」に魅了された読者を満足させているか、という問いに関しては疑問符がつく。率直に言うと、作者が休みがちなのだ。いや、厳しい言い方をすると連載ペースでは、1年の半分は休みといえる。2ch上で、100を優に超えるスレッド数。首を長くして連載再開を待つ、大勢の心の声に目を向けてくれたら、と思ったファンは少なくないだろう。

12月28日には32巻が発売された。1ヶ月に立て続けの発刊は嬉しい限り。32巻の売上げも好調のようだ。だが、ファンが最も求めているのは、早期の連載再開に違いない。仮に連載が再開しても、33巻が発売されるのは、来年の年の瀬の時期かもしれない。

しかし一方で、連載しては長期休み、を繰り返し、単行本発刊という、意図された焦らし方、読者と作者間の恋愛にも似た駆け引きも、悪くはない。見たい、今のペースのままでもいい、というアンビバレンツな感情が、相互に押し寄せてくる。

読む周期も含めた「作品全体の面白さ」も『HUNTER×HUNTER』の醍醐味なのかもしれない。そんな私も冨樫ワールドに魅了され、気長に「待つ」ことに慣れてしまった1人。33巻の発売を気長に待ち続けたい。

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