マンガ大賞2010第3位『バクマン。』レビュー

マンガ大賞2010で3位に輝いたのは週刊少年ジャンプで連載中の『バクマン。』だ。
この作品は漫画家を目指す二人の主人公を描いたもの。原作者と作画のタッグを組んだ最高と秋人が険しい漫画家の道へと突き進んでゆくストーリーで、コミックスは現在第7巻まで発売されている。

バクマン。 7 (ジャンプコミックス)

作者は、大場つぐみ(原作)と小畑健(作画)。実写映画化やアニメ化もされ大反響を呼んだ『DEATH NOTE』の二人なだけあって、高い画力とよく練られたストーリーは折り紙つき。前作を知る人が多いだけに、『バクマン。』もマンガ大賞2010にノミネートされる前から注目されていた。それが今回グランプリこそ逃したものの3位となったことで、さらに面白さが保証されたのである。

『バクマン。』には漫画が好きだからこそ知りたい、そして考えなければならない内容が盛りだくさんに描かれている。
漫画家という職業の実態、どのように漫画家になりどのように人気作家となっていくのか、そしてそれらがどれほど困難な道なのか──。作中では最高と秋人が漫画家になろうとがむしゃらに突き進む姿が大変丁寧に、リアルに描かれている。漫画好きの選考員たちが推す作品なだけあって、漫画を愛する人にこそ読んでほしい内容だ。

もちろん漫画に関することだけではなく、主人公たちの恋愛模様なども巧みに描写されており、それらも魅力のひとつとなっている。最高が思いを寄せる亜豆は声優を目指している魅力的な、でも一風変わった女の子。二人の恋の行方もこの作品の重要なポイントだ。

7月からはNHKでアニメが放映されることも決定しているこの作品。今大変勢いに乗っている漫画のひとつと言っていいだろう。