意思の疎通ができる猫の世界『来る日もねこめ~わく』

今回は秋水社の漫画雑誌「ねことも」で好評連載中の『来る日もねこめ~わく』(竹本泉)を紹介しよう。

主人公は現代日本の女子高生である村上百合子(むらかみ ゆりこ)。彼女は、なぜか猫に呼び出されてしまう特異体質の持ち主で、何者か(人間?)によって進化させられた猫が支配する星に呼び出されてしまう。そこに生きる猫達が人間世界を再現する相談役となってしまう。

百合子を始め、数人の人間を除けば猫らだけの世界。愛媛県の青島や宮城県の田代島など“猫島”と呼ばれる場所は現実にもあるが、猫達と意思の疎通ができることを加味すれば、この世界は、まさに猫ファンにとっては垂涎の地だろう。

ただし、誰が何の目的で猫を進化させたのかは不明。おそらく人間らしいのだが、百合子と同じ世界線の人間なのか、それとも別の世界線や別次元の人間の可能性もありそうだ。そんな世界には、亜光速宇宙船のテストパイロットである、ヘンリヒ、オスカ、マデリンの3人がたどり着いたことで、物語が複雑になっている。この辺りの事情は、いずれ明らかになるかもしれない。

本作の前身となる『ねこめ~わく』は、およそ四半世紀前となる1991年に読切として始まった作品。掲載誌の休刊等により、度々の移籍を重ねた後、2024年から当該誌「ねことも」で連載を開始。ようやく単行本が発売される運びとなった。基本的に一話完結のため、漫画界の荒波を乗り越えることができたのだろうが、あとは竹本先生が無事最終回-あればだが-まで描き切ってくれるよう願うばかりだ。

過去記事「人類がいなくなっても、アニメが終わっても漫画連載は続く?『アポカリプスホテルぷすぷす』」(http://comic-candy.com/archives/25331)を見れば、竹本先生に追い風が吹いていると思える。なにとぞ「ねことも」と『来る日もねこめ~わく』の継続を願おう。ただし直近の連載では「設定とかあまり考えずに適当に描いてるとあとで苦労するんですよ?」と竹本先生の書き込みがあった。竹本先生にエールを送るばかりだ。

【作品データ】
作品:来る日もねこめ~わく
作者:竹本泉
連載:秋水社「ねことも」連載中
刊行状況:1巻発売中、以下続刊

【作品データ】
作品:ねこめ~わく
作者:竹本泉
刊行状況:全8巻

【作品データ】
作品:『ねこめ(~わく)』
作者:竹本泉
刊行状況:全7巻