田舎で染色ライフを楽しむには『ねこまた印の染物屋さん』

今回は『ねこまた印の染物屋さん』(宇仁田ゆみ)を紹介します。

主人公は五色マシロ(ごしき-)。彼は「ねこまた印の染物屋さん」を営んでいる経営者であり、染色研究者ってところでしょうか。昔なら染物屋って確かにあったんですけどね。まあ、2つを合わせて染色研究家ってところかなあと。実際、マシロは大学で染色学(と言うのがあるんですね)の講義をしたり、学生を指導したりして収入を得ています。

彼が一緒に住んでいるのが、ネコマタのミコ(姉、白髪の長い方)とクコ(弟)です。マシロが幼い頃に飼い始めた猫なのですが、長じてネコマタになっちゃいました。民間伝承では、長生きした猫の尾っぽが2つに分かれてネコマタになるそうです。ミコとマコは、いつもは猫の姿なのですが、推定7~8歳くらいの子供姿にもなれますし、推定20歳前後の成人姿になることもできます。ただし子供姿の時に気を緩めると猫の耳や尾っぽが飛び出しますし、成人姿の時には常時耳と尾っぽが出てしまうので他の人に見つからないよう要注意です。

さて染物屋を営んでいるだけあって、染色の知識が豊富なマシロ。漫画の中にも染色の知識がてんこ盛りに出てきます。これは、おそらく作者である宇仁田先生の経験を活かしているところもありそうです。Xには染物関連のポストが山盛りですからね。個人的にはホームセンターや手芸店で染料を買ってきて染めたことがあるくらいなのですが、天然素材を使った染色のシーンは興味津々で読んでいます。もっとも、実践したいなと思っても、素材が入手できなんですよね。玉ねぎの皮でも染められるようですけど。

物語が進むにつれて、マシロの友人知人が登場し、ミコとクコの妖怪仲間も姿を現します。人間の中にはミコやクコの正体を知っている人がいる一方、まだ明かしていない人もたくさんいます。どこまで隠し続けるかは難しいところですね。ただでさえマシロと子供2人が一緒に住んでいる光景は不思議なものがありますから。まあ、田舎なので通報はされないでしょうけど。

基本的には、のんびりほんわかとした田舎ライフが続いていきます。ですので、「女っ気がないなあ」と思ってしまいますが、そういう漫画ではないと考えましょう。2023年から始まった連載は多くても8ページ。それがようやく溜まったところで、単行本1巻が発売されています。ハンドメイドに興味があるなあ、なんて人にはお勧めの作品です。

【作品データ】
作者:宇仁田ゆみ
連載:竹書房「まんがライフオリジナル」連載中
刊行状況:1巻発売中、以下続刊