経営不振となった結婚相談所の行く末は?『婚活ストラテジー』

今回は小学館「ビッグコミック増刊号」で連載中の『婚活ストラテジー』(作画:兎中晋二、原作:藤川よつ葉)を紹介します。

2024年と少し前の調査ですが、帝国データバンクの発表によると結婚相談所の倒産が増えているのだそうです。もちろん結婚相談所とひと口に言っても様々な規模や形態があるのですけれども、所得減少、少子高齢化、晩婚化、マッチングアプリの普及などの原因により、少なからぬ結婚相談所が苦境に陥っています。

本作の舞台となるのが、創業47年の老舗である「まごころ結婚相談所」。こちらが業績不振により、婚活アプリ最大手の「マリップル」に買収されたところから話が始まります。まさに先に書いた状況そのままです。

その「まごころ結婚相談所」に勤める幸田あおい(こうだ-、単行本1巻表紙の女性)と、「マリップル」から業績てこ入れに派遣された絆一郎(きずな いちろう、眼鏡をかけた男性)が主人公。基本的には、この2人を中心としたスタッフが婚活を成功させていく状況が描かれています。具体的には相手の男性に要求の多い女性を諦めさせたり、普通と自覚している男性を積極的にアピールさせたり、まあ結婚相談所として当たり前の活動を行っていきます。

タイトルにある“ストラテジー”は“戦略”の意味。結婚へと導く戦略であり、結婚希望者の戦略を手助けする意味でもあるのでしょう。さらにビジネス的な戦略…もあるかもしれません。と言うのは、これまでも絆がビジネス的な下心をほのめかす言動が度々描かれているからです。確かに、老舗の持つ信用や情報量、ノウハウなどは新興企業にとっては宝の山には違いないですしね。
当初、絆は「これまで通りの運営をしていただければ」「新参者の我々に そのノウハウを学ばせてください」などと語って、幸田らを安心させています。

「危ないよなあ」と思ってしまいますが、それは読者として端から冷静に読んでいるからなのでしょう。「いずれ蓄積した情報やノウハウを吸い取られて、ポイッじゃないの?」なんて考えは皆さんも透けて見えると思います。まあ、間違いなく、そんな展開になるのでしょうけど、果たしてそれがいつになるか。後に、絆は「人の感情でどこまで儲けられるか」なんてことを漏らしていますしね。

直近の連載では男性向けの婚活ファッションを提案した後、婚活パーティーを開催。パーティーに参加する男女に向けて的確なフォローを重ね、何組ものペアを誕生させています。このままゆるゆるとした展開がしばらく続きそうですが、絆が「まごころ結婚相談所」に、いつ牙を向けるか。その時に幸田らはどう対応するのか。興味を持って読んでいきたいと思います。

【作品データ】
作画:兎中晋二
原作:藤川よつ葉
連載:小学館「ビッグコミック増刊号」連載中
刊行状況:1巻発売中、以下続刊