ドラマ『ちはやふる-めぐり-』は原作の『ちはやふる』を超えたのか?

末次由紀先生の大人気作といえば、『ちはやふる』シリーズです。映画は原作とは別の世界観で描かれており、『ちはやふる -上の句-』と『ちはやふる -下の句-』の2部作と、完結編として『ちはやふる -結び-』の3作が公開されました。

ドラマは、映画の3作から10年後の世界を描き、『ちはやふる-めぐり-』というタイトルで、2025年7月9日~9月10日まで放映されました。

【自己肯定感の低い女子高生が強くなっていく物語】

ご存知のとおり、マンガ版の『ちはやふる』は綾瀬千早を主人公に、瑞沢高校競技かるた部で仲間とともに戦い、ともに強くなっていく過程を描いた物語です。

この綾瀬千早は、とんでもなく自己肯定感が高く、困難な局面で弱気になってしまう場面もあるものの、持ち前の明るさでその難局を打破。クイーンになれるだけの実力をつけていきます。

ドラマ版は、その瑞沢高校ではなく梅園高校が舞台です。主人公は、當真あみさんが演じる藍沢めぐるという高校2年生の女の子。

めぐるは競技かるた部の幽霊部員で、何事にもタイパを重視する今どきの子です。

彼女は驚くほど自己肯定感が低く、幼馴染だった凪との約束を結局果たさなかったこと、何事にも中途半端なことに強いコンプレックスを持っています。

そんな彼女が、競技かるたを通して梅園高校の部員やライバルとなる、瑞沢高校や北央高校競技かるた部員との出会いを通して強くなっていきます。

【惜しむらくは】

原作のキャラクターも登場するものの、ドラマ版も基本的には映画の世界観で描かれていました。

ドラマ自体は、原作の末次由紀先生も脚本作りに携わっていたので、原作の雰囲気を壊すことなく作られたいいドラマだったのではないでしょうか。

ただ、視聴率がそんなに良くなかったこともあったのか第10話が最終回となったのが惜しいところです。

高校生の部活が舞台の作品なので、水曜10時ではなく土曜9時であれば、もう少し視聴率も良かったのではないかなと思います。

『ちはやふる』自体、登場人物は濃いキャラが勢揃いで、さまざまな角度からスピンオフができそうなので、これからの展開にも大いに期待したいところです。

【『ちはやふる』作品データ】
・作者:末次由紀
・出版社:講談社(BE・LOVE)
※「コミックDAYS」でも読めます
・刊行状況:全50巻

【『ちはやふる plus きみがため』作品データ】
・作者:末次由紀
・出版社:講談社(BE・LOVE)
※「Palcy」「コミックDAYS」でも読めます
・刊行状況:既刊4巻