60歳レズビアンのシングルライフを描く『ひとりみです』

日本では約1割が該当するといわれる、セクシャルマイノリティ(LGBTQ+)。実際には、どの年代にも一定割合でいてもおかしくないはずですが、カミングアウトするにはまだ勇気が必要という現実があります。

一定の年代であれば、仕方なく異性との結婚を選び、家庭を築いた人もいるものの、結局独身を選択した人も少なくありません。若年層の百合を描いた作品が多い中、あえて中高年世代の百合を描いたのが、今回ご紹介する森島明子先生の『ひとりみです』という作品です。

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【作品紹介】

日本にあるどこかの街を舞台にした本作、主人公は60代の女性。第1話は、今村幸という還暦を迎えた女性です。

性自認は女で、恋愛対象も女の彼女は、いわゆる同性愛者。推しである50代女性アナのニュース動画を流しながら、朝食を取ることを日課にしています。

そんなある日、妹から呼び出された幸は実家のお片付けをすることに。

そこで、彼女たちにとって思い出の品たちを見つけ……。

本作は、さまざまなレズビアンな女性たちの恋愛模様を描いた、1~数話完結のオムニバスストーリーです。

【本作の見どころ】

本作の見どころは、思い出の品が結びつける縁と、それぞれの思いにあります。

望んで独身を貫いたわけではないものの、当時の時代背景だったり、ほんの少しの勇気がなかったりで、結局思いを告白できないまま時が流れていってしまい……。

私自身もそうですが、無理やり納得はさせているものの、やはり完全に納得しているわけではなく……。

だから解決するというわけではないものの、どうしても割り切れない思い、それをどうやって折り合いをつけていくかなどが書かれている点こそ、本作の魅力といえるでしょう。

筆者自身も、残りが少しずつ少なくなりつつあるので、ちょっとでも納得できる人生になるよう精進していきたいところです。

【作品データ】
作者:森島明子
出版社:KADOKAWA(CandleA)
カドコミにて試し読みできます
刊行状況:単行本未刊行(2025年6月より連載開始)