ポツダム宣言を受諾後、降伏文書に調印したことで戦争が終結したというのが史実です。しかし、ポツダム宣言を拒否して、徹底抗戦すべきと考えていた軍部幹部も一部にいたと言われています。
最終的にはGHQ(アメリカ)が統治しましたが、実は「戦勝国(米・英・ソ・中)」d画分割統治する計画もあったのは有名な話。実際、徹底抗戦していたらあり得たかもしれませんね。その「もうひとつの可能性」をテーマにした作品が、津久田重吾先生監修、池田邦彦先生作画の『国境のエミーリャ』です。
【作品紹介】
ポツダム宣言の受け入れ拒否後、本土決戦で徹底抗戦。戦後、米ソによる冷戦時代がはじまる中、北海道・東北を含む東側をソ連が、神奈川県より西を米・英が統治した、1962年の日本が舞台です。
首都・東京はどうなったかというと、上野より東側はソ連、上野より西側は米英がそれぞれ統治。戦後ドイツのベルリン(当時の東ベルリン・西ベルリン)のようなものと考えるとわかりやすいでしょう。
主人公は、杉浦エミーリャという名前の女性。昼は、十月革命駅(上野駅から改称)にある人民食堂で働いています。しかし、その裏の顔は、西側に行きたい人の脱出を手伝う、脱出請負人です。
そんな彼女を軸に、戦後の日本で起こり得たもうひとつの可能性を描いた作品です。
戦後日本が分割統治。
冷戦下で東西に分断されてしまった
1962年のトウキョウの物語(1) pic.twitter.com/pSvwKbcMn9— 池田邦彦【漫画家】国境のエミーリャ14巻9月発売 (@yayotcha) February 20, 2020
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【見どころ】
本作の見どころは「もしも歴史が〇〇だったら」に関する、答えのひとつとなりえるものを描ききっているところにあります。
実際、4カ国による分割統治も可能性としてあり、その前に徹底抗戦しようとした動きもあった中、もしも本当にそうしていたらどうなっていたかを描いている点に好感が持てます。
そして、もうひとつの見どころは鉄道作品に定評のある池田先生らしく、ソ連のシベリア鉄道との連携や鉄道の広軌化、電化の進み具合、ソ連の政治・経済、文化を取り入れた日本の描写も細かくなされており、もうひとつの歴史を考えるうえで大いに参考になる作品です。
【作品データ】
・監修協力:津久田重吾
・作画:池田邦彦
・出版社:小学館
※公式ページにて一部試し読み可能
・刊行状況:既刊13巻(以下、続刊)
