ゲームのバグに巻き込まれた異世界ものファンタジー『この世界は不完全すぎる』

「十人十色」という言葉があるように、人それぞれに考え方があり、それぞれに好きなことがあります。そして、そのことについては、よほど公序良俗に反していない限り、あれこれ言われることはないのです。

ただ、どんなに好きなことであっても、いきなりその世界に閉じ込められてしまったらパニックになるのではないでしょうか。今回は、ある世界に閉じ込められてしまったデバッガーがバグを探す異世界もの、左藤真通先生の『この世界は不完全すぎる』を紹介します。

【作品紹介】

本作の主人公は、ハガ(羽賀誠)。赤髪の筋骨隆々とした男性型キャラクターです。

世の中のことすべてを調べているこの男の正体は、発売前のVRゲーム「キングス・シーカー・オンライン」のデバッグ業務を行っている、株式会社二シマテックの社員・羽賀誠。

なぜか、ログアウトできないバグに巻き込まれて、ゲーム世界に閉じ込められてしまいます。

ゲーム内の村人は、このハガを王国のエリート組織「王の探究者」の一員ではないかと噂して、ハガのもとを訪れます。

ハガはひとりでドラゴンに立ち向かい、村人とともに皆で村を守ろうとするが……。

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【作品の見どころ】

本作は、異世界を舞台にした作品でありながら、従来の異世界ものとも少し違う感じがするところに、その面白さがあります。

もともと、主人公のハガ(羽賀誠)は、ゲームのデバッガー(エラーを見つけてエラーを修正する職業)であり、ゲーム内に存在するエラーが恐怖になっています。

ゲームを多少なりともやったことがある方はわかると思いますが、ゲームのバグは時には最強のチートになる一方、本来であれば少し時間がかかってもエンディングまで進めるはずなのに、まったく先へ進めないなんてことも起こり得る厄介な存在でもあるのです。

それらの問題をどのように解決していくのかが、本作の楽しみでもあります。

今年の5月で連載から5周年、今後の展開にも注目していきたい作品です。

【作品データ】
・作画:左藤真通
・出版社:講談社(コミックDAYS)
コミックDAYSにて一部試し読み可能
・刊行状況:既刊15巻(以下、続刊)