独ソ戦に従軍した女性が見た戦争の素顔とは?『戦争は女の顔をしていない』

私たちも歴史の授業で習う第二次世界大戦。その後、日本は国家間紛争を経験していません。しかし、世界では戦後も国家間紛争が発生し続けており、2023年には冷戦終結後最多となる59件の国家間紛争が発生していると言われています。

2022年に発生したロシアによるウクライナ侵攻は、記憶に新しいのではないでしょうか。今回は第二次世界大戦に従軍した女性の証言をまとめた『戦争は女の顔をしていない』を紹介します。

【作品紹介】

舞台は1941~1945年にかけて行われた、第二次世界大戦の独ソ戦(ナチス・ドイツとソビエト連邦との戦争)。そこに従軍して、医療、看護、調理、洗濯、戦闘などを行なった女性の証言を元に描かれています。

本作は、2015年にジャーナリストとしてはじめてノーベル文学賞を受賞した、スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ氏の原作を、小梅けいと先生がコミカライズしたものです。

原作となった同書はペレストロイカがはじまった1985年に発刊され、日本では2008年に群像社が、2016年に岩波書店が翻訳版が発売されました。

その後、2019年より本作のコミカライズがはじまり、現時点で5巻までコミックスが発売中です。

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【作品の見どころ】

小中学校では社会科、高校以降では日本史もしくは世界史で戦争の歴史についても学びます。

その中で言われるのは「戦争は悲惨なものであり、悲しいことばかりをもたらす」と言う言葉。

ただ、実際の経験は言葉では伝えきれないですし、あまりにも悲しすぎて聞いていると涙さえ流せなくなってしまいます。原作では言葉で伝えられていた戦争の悲惨さが、コミックスでもほぼ原作のニュアンスのまま伝えられている点こそが、本作の魅力です。

筆者自身も、戦争が行われた時代の話を聞く機会がありましたが、その際に感じたのは人間の人間らしい一面を教えてくれるということでした。

人間の好ましい一面と憎らしい一面が同時に浮かび上がってきます。

戦争を経験した世代は、その当時の年齢に関係なく、戦後に生まれた我々よりもはるかに平和の尊さを知っていると同時に、戦争の時代を懐かしみながら語っていたことが印象的でした。

原作を読むのもいいでしょうし、単行本で読むのもいいでしょう。また、Youtubeで「戦争は女の顔をしていない」で検索すると、試し読み版のPVや朗読のPVが出てくるので、ぜひ聞いてみてください。

【作品データ】
・原作:スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ
・監修:速水螺旋人
・作画:小梅けいと
・出版社:KADOKAWA
カドコミで、試し読みできます
・刊行状況:既刊5巻(以下続刊)