任侠の世界から歌舞伎の世界に入った少年の半生を描いた『国宝』が映画に!

日本の伝統芸能には、歌舞伎の他にも浄瑠璃や落語、講談などさまざまあります。その中でも、歌舞伎は音楽・舞踊・演技の要素で魅せる舞台として、現在でもそれぞれの役者に固定ファンがつく人気芸能のひとつです。

歌舞伎役者になるものは、その家柄に生まれたいわゆる世襲が多い中、任侠の世界から歌舞伎の世界に飛び込んだひとりの青年を描いた物語、作画:三国史明先生、原作:吉田修一先生の『国宝』が映画化。2025年6月6日より公開です。

【作品紹介】

物語の舞台は昭和39年の長崎県。立花組の新年会からはじまります。任侠の世界に生まれた中学生・立花喜久雄は、立花組組長・立花権五郎の息子です。それでありながら、任侠にしておくにはもったいないほどの美貌の持ち主でもありました。

その新年会にたまたま参加していたのが、歌舞伎名門一家の長で人気歌舞伎役者・花井半二郎。

半二郎は、その新年会で演じられた「墨染」で女形を演じた喜久雄に目を奪われます。

その後、父の権五郎が抗争で死亡。喜久雄は花井半次郎に引き取られ、歌舞伎の世界に入り半次郎の息子・大垣俊介とライバル関係になり……。

本作は花井半二郎に引き取られ、花井東一郎として舞台に立つこととなった喜久雄の半生を描いた物語です。

【映画の出演者】

主役の立花喜久雄を演じるのは、美貌と演技力を持つ俳優・吉沢亮さん。そして、喜久雄のライバルとなる大垣俊介役は、第48回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞をはじめとして、数々の受賞経験のある横浜流星さんが演じます。

そして、歌舞伎名門の当主・花井半二郎役として、ハリウッド映画にも出演する渡辺謙さん。さらに、永瀬正敏さん、高畑充希さん、寺島しのぶさんなど、日本映画に欠かせない出演者で固められています。

【映画の見どころ】

映画の見どころは、ズバリ歌舞伎の世界で生きる人たちの裏舞台が見られることでしょう。

渡辺謙さん演じる花井半二郎の迫力ある演技、歌舞伎の名門に生まれたがゆえに生じる俊介の苦悩、歌舞伎の外から入ってきた喜久雄の揺らぎが映画の中で表現されています。

主題歌は「Luminance」で、本作の音楽を手掛ける原摩利彦さんが担当。作詞には坂本美雨さんが参加して、さらにKing Gnuの井口理さんが歌唱で参加するなど、こちらも豪華メンバーです。

「特別な誰かの人生に喝采を送りたい」という思いにぴったりな作品になっています。

【作品データ】
・作者:三国史明
・原作:吉田修一(青春篇・花道篇)
・出版社:小学館(ビッグコミックスピリッツ)
公式ページで、試し読みできます
・刊行状況:既刊2巻(以下、続刊)