1964年に村上雅則氏、1995年に野茂英雄氏以降、MLBに挑戦した日本人選手は72人。うち、現役の投手は16人います。分業化が進んでいる現在、先発として活躍する投手もいれば、クローザーもしくは中継ぎ・セットアッパーとしてプレーする投手などさまざまです。
ただ、中継ぎ投手は1イニングなど短いイニングを年間60試合近く投げるにも関わらず、なかなかスポットライトが当たりません。その中で、中継ぎ投手を主人公にした本格的野球マンガが森高夕次先生原作、足立金太郎先生作画の『グラゼニ~大リーグ編~』です。『グラゼニシリーズ』は、スピンオフも含めると計6シリーズ、足掛け15年にわたって連載されています。
【作品紹介】
前作のパ・リーグ編では、ゴールデンカップスに在籍していた凡田夏之介が主人公。
年齢を重ねるごとに、正攻法では通用しなくなった夏之介。そこで、3年目を迎えた時「時速120kmの高速ナックル」を武器に復活を図ります。
しかし、日本人捕手は取れる人がおらず……。
ただ、二軍でくすぶっていたパーシーは、そのナックルを捕球できたのですが、外国人枠などの事情もありなかなか起用することができないままシーズン終了を迎え、戦力外通告を受けます。
「捨てる神あれば、拾う神あり」とは、よく言ったもの。たまたまビデオを見ていた、ボストン・ブルーソックスの監督・ボビー・リードの目に留まり、パーシーと一緒にメジャーに挑戦することになり……。
本作は、競争の激しい大リーグで、1年目は先発、2年目は中継ぎに転向して奮闘する夏之介とパーシーの奮闘、監督・コーチ、GMの思惑を描いた物語です。
『グラゼニ~大リーグ編~』7巻発売しました!
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【作品の見どころ】
本作の見どころは、言葉の壁がありながら監督やコーチの信頼を得ている夏之介の姿にあります。
常に飄々としているように見えますが、実は苦労も多くいつも崖っぷちにいる夏之介。
決して余裕はないはずです。にも関わらず、しっかりと後輩などの面倒を見て、同僚にはアドバイスを送り、自分の出番が来たらきっちりと仕事をします。
現実には、なかなか思う通りに行くことも少ないでしょう。
それでも、大リーグ編で描かれている夏之介の姿に、それぞれを重ね合わせてみると参考になる点も多いと思います。
【作品データ】
・原作:森高夕次
・作画:足立金太郎(パ・リーグ編までは、アダチケイジ)
・出版社:講談社(週刊モーニング)
※コミックDAYSで試し読みできます。
・刊行状況:既刊7巻