元ナンバーワン営業が実業団チームを立て直す!『シンデレラアスリーツ』

スポーツの世界は、身体能力が物をいう世界。スポーツ少年団から中学校、高校、大学、実業団、(プロ)とステージが上がるにつれて、そこに進める人数も少なくなるピラミッド構造になっています。

しかし、実業団は運営母体の状況次第で、簡単に切られやすい側面があります。また、男子に比べて女子は、移籍も含めて存亡が激しくなりやすい傾向です。今回は、存亡の危機にある女子実業団チームを舞台にしたチーム再建の物語、如意自在先生の『シンデレラアスリーツ』を紹介します。

【作品紹介】

作品の舞台は、男女の化粧品を扱う企業・創星堂。

主人公は、男性化粧品部門でトップの営業成績を残していた金田啓介。創星堂は、創業者だった会長が亡くなって以降、大転換期を迎えていました。

もともと折り合いが悪かった会長と新社長。会長の肝いりで始まった部門は、容赦なくテコ入れされ、会長派閥だった金田にもその波がおよびます。

会長側の舵取りではじまった男性化粧品部門で営業成績トップだった金田は、新社長の手で同じく会長の肝いりで作られた女性実業団チーム「アステリアズ」がある運動推進課へと左遷されました。

ピーク時は、多数のオリンピアンを輩出したアステリアズも、ここ10年は赤字続きで……。

現在所属しているのは、わずか5人。

  • 浜辺つむぎ(バレーボール)
  • 高木つばめ(バレーボール)
  • 皇来智(柔道)
  • 絵梨花アンダーソン(テニス)
  • 山神昴(陸上)

新社長にとっては目障りな存在となっていたのです。

実際、金田も転職しようとしますが……。

絵梨花が廃部の危機にありながらも、練習に勤しむのを見て、金田はスポンサー獲得に向けて東奔西走。

本作は、実業団チーム立て直そうとする金田の視点から、スポーツの価値を描いた物語です。

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【本作の見どころ】

本作の見どころは、崖っぷちにあるアスリートが見せる、時にかわいく、時には熱いアスリート魂にあります。

所属する選手は、少人数ながら才能・個性とも豊か。

ツンデレ金髪テニスプレイヤーの絵梨花、無表情で何を考えているのかわからない長距離ランナーの昴、一見ギャルっぽい柔道選手、アホの子と引っ込み思案なバレーボールコンビ。

人数不足のため、試合さえままならない日々を送りながら、GMになった金田の奮闘もあり、徐々に戦う気持ちを整えていく彼女たち。

物語の冒頭は、主人公が新社長になりインタビューを受けている描写でした。そこに至るまでのあれこれ。何が起こるのか、物語の進展が楽しみな作品です。

【作品データ】
・作画:如意自在
・出版社:講談社(コミックDAYS)
コミックDAYSで試し読みできます。
・刊行状況:未刊行(2025年4月より隔週刊連載)