紺屋(藍染職人・染物屋)、畳刺し(畳職人)、左官などは、現在も手作りの良さを継承し続けている伝統的な仕事です。これらに代表される手に職を持つ人たちの仕事は、機械化が進んだ現代でも、私たちの日常に根づいています。
これら手作業の技術は、江戸時代から職人の手によって継承されてきたものの、現代では消滅の危機にあるものも多くあります。そんな桶職人や刀鍛冶、紺屋などの手仕事を、圧倒的ディテールで描いた作品が、坂上暁仁先生の『神田ごくら町職人ばなし』です。本作は「出版社コミック担当が選んだおすすめコミック2024」で第1位を獲得するなど、話題沸騰しています。
https://x.com/sakakky1090/status/1839579373051285629
【作品紹介】
作品の舞台は、江戸時代の江戸・神田。
そこでひたすらに、ひたむきに手作業している職人が主人公です。
現在、発売されている第1巻では、下記が収められています。
- 桶職人
- 刀鍛冶
- 紺屋
- 畳刺し
- 左官
手作業に込められた思いと、その伝統を、圧倒的なスケール感とディテールで描いている作品です。
【作品の見どころ】
本作の見どころは、江戸時代の職人が行ってきた繊細な作業を、余すことなく再現して描ききっているところにあります。
その作業はとても繊細で、これだけ技術が発達した現代でも再現しきれないところがたくさんあるのです。その手作業を丹念に取材し、絵に著しているのは本当に素晴らしいことだと思います。
今、これだけの手作業を求めるとなると、値段にも相当反映させないと難しいので、再現は難しいでしょう。
その技を作品内だけとはいえ、この目で見られるのは本当に幸運の一言です。
【作品データ】
・作画:坂上暁仁
・出版社:リイド社(トーチWeb)
※トーチWebで試し読みできます
・刊行状況:既刊1巻(以下、続刊)