江戸時代を舞台にした小説・テレビドラマ、マンガは数多くあります。その中で、代表的なタイトルといえばやはり『大奥』でしょう。実際、マンガ版ではよしながふみ先生が描いています。テレビドラマも人気がありましたね。
これを猫に置き換えたとしたら、熱心な歴史好きであれば『ん??』と眉をひそめる人もいるのではないでしょうか。そこは、あくまでもパロディということでお許しください。その妄想を現実にした作品が、山村東先生の『猫奥』です。
【作品紹介】
舞台は、江戸時代末期の江戸城大奥。御年寄 滝山が主人公です。この大奥は、男子禁制、猫大歓迎。
猫は言葉を話しませんが、人間たちが振り回されたり、猫の可愛さについて大真面目に話したりしています。
この世界にいる大奥の女性たちは、ほぼ全員が猫を飼っています。しかし、そんな中で唯一猫を飼っていないのが、この滝山。当然、周囲は「滝山=猫嫌い」と思っているのです。しかし、本当は猫が好きで……。威厳を保たなければと思う気持ちと、好きな気持ちで揺れ動く滝山を中心に、猫に愛情を注ぐ人たちの姿をコミカルに描いた物語です。
大奥に勤める三十代独身女性が猫をモフモフしたりしなかったりする話(1/3) pic.twitter.com/FxzmafpHVL
— 山村東『猫奥』10巻1月22日発売 (@chyousinca) October 23, 2020
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【作品の見どころ】
本作の見どころは、ズバリ登場人物全員が猫を心から愛しているところにあります。
登場人物の多くは、実在した人物。その人物全員が猫好きという、おそらくあり得ないであろう設定が面白い作品です。
とにかく、とことん猫愛を貫く大奥の女性たちに、実際の猫に苦手意識を持つ人でも思わずニッコリとしてしまうのではないでしょうか。
【作品データ】
・作画:山村東
・出版社:講談社(週刊モーニング)
・刊行状況:既刊10巻(以下、続刊)