かつて「史上最悪の体罰教師」と呼ばれた男がいました。しかし、その大半は事実無根のでっちあげだったことが判明。最終的には、この教師に科されていた処分はすべて無効となったのです。
もしも、これが我が身に降りかかったらどうするでしょうか。毎日続くマスコミによるリンチのような誹謗中傷に耐えられますか?福田ますみ先生の『でっちあげ福岡 「殺人教師」事件の真相』を原作に、田近康平先生作画でコミカライズされた『でっちあげ』を映画化した映画『でっちあげ』が、6月27日に公開されます。
【作品紹介】
舞台は福岡市の公立小学校。
物語は、平成17年(2003年)10月に「死に方教えてやろうか」というセンセーショナルな記事が週刊誌に載り、それを多くのサラリーマンが目にする描写からはじまります。
アメリカ人を先祖に持つ児童に対し、教師が言った(とされる)「血が穢れている」や、人種差別に基づくいじめを行ったとされ教師は処分されます。
しかし、児童と両親が福岡市と教師を相手取り民事訴訟を起こし、裁判は泥沼化します。
この裁判は、どのような結末をたどるのか。最終的に教師への処分は取り消されるのか。
本作は、当該教師が「殺人教師」と呼ばれる発端となった出来事から、裁判を経た過程を丁寧に描いた作品です。
【映画の出演者】
小学校教諭の薮下誠一役が綾野剛さん、いじめを受けた児童・氷室拓翔に三浦綺羅さん保護者・氷室律子役に柴咲コウさんが出演。
その他、記者の鳴海三千彦役として亀梨和也さん、その他にも大倉孝二さんや光石研さん、北村一輝さんなど豪華キャストが出演します。
監督は三池崇史さん、プロデュースに和佐野健一さん、脚本に森ハヤシさんと、スタッフも超豪華です。
◤◢◤本 予 告 解 禁 ◢◤◢ ⠀
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突き刺さるセリフの応酬に怒涛の展開 ―。
⠀#綾野剛 #柴咲コウ #亀梨和也 ら
豪華実力派キャストの演技に圧倒される
限界の予告映像が解禁。
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はたして男は殺人教師か、それとも―。
⠀#映画でっちあげ 𝟔.𝟐𝟕(𝐅𝐫𝐢.)公開🎬 pic.twitter.com/mZzXtpg7gA— 映画『でっちあげ』公式【6.27公開】 (@detchiagemovie) April 21, 2025
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【映画の見どころ】
本作は、日常の延長線上にある極限状態に陥った人間を描いています。
たしかに、母親だけの言い分を聞いた人は母親を擁護する声は多いでしょう。実際、これがすべて事実であれば、筆者も「とんでもない人物だ」と言ってしまうと思います。
しかし、週刊誌が取り上げると面白おかしく、ひとりの人間がとんでもない大悪人であるかのように書かれてしまいます。
この教師も誹謗中傷や裏切り、停職、壊れていく日常に、神経をすり減らすことに。
よく「誰かの言っていることを鵜呑みにするのは危険だ」と言われます。私たちも多かれ少なかれ似たようなことを経験しているので、頭ではわかっているのです。しかし、実際にはできていないことも多数存在します。
人の話を聞く際は、疑いながら聞くことに気をつけたいと思える映画です。
【作品データ】
・原作:福田ますみ
・作画:田近康平
・出版社:新潮社
※くらげバンチで試し読みできます
・刊行状況:全4巻