『伍と碁』連載開始!『ヒカルの碁』以来21年ぶりの囲碁漫画!

講談社「ヤングマガジン」で碁をテーマにした『伍と碁(ごとご)』(原作:蓮尾トウト、作画:仲里はるな)が始まりました。

主人公は秋山恒星(あきやま こうせい)。彼が「神童」と呼ばれた少年期から話が始まります。「囲碁漫画なら“進藤”だろ」と思った方は『ヒカルの碁』に毒されているかもしれません。

閑話休題。

運動にも勉強にも才能を示した恒星ですが、有名人が誰もいない分野に進むべく“碁”を目指します。その理由は「これからは脳みその時代」「囲碁界の藤井聡太になる」とのこと。もっとも囲碁界でも全七冠制覇を達成した井山裕太さんが居るんですけどね。まあ、藤井八冠や羽生七冠に比べると、知名度で「ちょっとな」になるのは否定できません。

そうして12歳で碁の道を志した恒星でしたが、偶然通い始めた囲碁クラブで年少の5人に負け続けたことで、心が折れてしまいます。

で、4年後、16歳の高校生になった恒星は町のお祭りで元院生(プロを目指す専門機関)に勝ったことで、結構な実力がついていたことを実感します。「じゃあ、そんな恒星に圧勝した5人って誰?」ってことで、話が展開していきます。

さて、そんな本作ですが、「囲碁マンガ21年ぶりに連載開始 27日発売ヤングマガジン『伍と碁』打ち初め式で発表」(https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202501050000310.html#goog_rewarded)などの見出しにあるように、21年ぶりの囲碁漫画とのこと。

「え、そうなの?」と思ったかたも少なからずいるでしょう。確かに将棋漫画と比べると囲碁漫画は少ないのですが、最近でもいろいろありますよね。ヒカ碁を除いて私の知る限りの囲碁漫画をあげてみます。

『天元坊』(山松 ゆうきち)、『碁娘伝』(諸星大二郎)、『入神』(竹本健治)、『みことの一手』(宇城はやひろ)、『天地明察』(冲方丁、槇えびし)、『日々碁席』(笠太郎)、『小林クンちのお部屋事情』(凪妖女)、『星空のカラス』(モリエサトシ)、『お父さんは急がない』(倉多江美)、『新婚だけど片想い』(雪森さくら)

このくらいでしょうか。『天地明察』は映画にもなりましたし、講談社の「アフタヌーン」連載。『新婚だけど片想い』は単行本が全11巻、『星空のカラス』も全8巻出ています。まあ、種明かしをすれば、『ヒカルの碁』の「週刊少年ジャンプ」と『伍と碁』の「ヤングマガジン」は、どちらも週刊漫画誌です。それで「21年ぶり」と。

記事では省略されていますが、Youtube「日本棋院チャンネル」の「井山裕太王座と寺山怜六段が監修の囲碁漫画「伍と碁」連載スタート!!」では「週刊漫画誌で約21年ぶり」のように、しっかり紹介しています。

なお、本作の監修として、井山裕太三冠(王座、碁聖、十段)と寺山怜六段の名前が出ています。そう、先に上げた全七冠制覇を達成した井山裕太さんです。本作の主人公が「囲碁界の藤井聡太になる」「囲碁界の歴史に一生残ることになる」の部分を、井山さんがどう読まれたのか気になります。

単行本は5月7日に1巻が発売予定。連載が進むにつれて恒星を圧勝した5人の正体が次々に明らかになり、恒星も新たな囲碁ロードを邁進していく様子が描かれています。気になるのはラスボスの存在。5人の中の1人かとおもったのですが、それ以外にも気になる棋士が登場しました。どちらも恒星の大きな壁になりそうですが、はたしてどうなるでしょうか。

【作品データ】
作品:伍と碁
原作:蓮尾トウト
作画:仲里はるな
連載:講談社「ヤングマガジン」連載中
刊行状況:第1巻5月7日発売予定

【作品データ】
作品:ヒカルの碁
原作:ほったゆみ
作者:小畑健
連載:集英社「週刊少年ジャンプ」連載
刊行状況:全23巻