古書がつなぐ人と人との出会い『本なら売るほど』

皆さんは本をどれだけ読みますか?読書離れは深刻な問題で、全国学校図書館協議会の調査では、小学生が1か月に約14冊、中学生は約4冊、高校生は1~2冊という結果でした。大人も平均で月に約1冊、下手したらまったく読まない人もいます。

新刊は高くて買えないという人は、古書店に行くのもおすすめ。古書店にはなかなか手に入らない本もあったりして、筆者もときどき巡っています。そんな古書店を舞台にした作品が、児島青先生のデビュー作『本なら売るほど』です。

【作品紹介】

物語の舞台は、古本屋の「十月堂」。ひっつめ髪の気だるげな青年が、本作の主人公です。

店主の人柄は、誠実そのもの。そんな店主とステキな品揃えに惹かれたお客さまが訪れます。

本好きな常連さんもいれば、ちょっと背伸びしたいお年頃の女子高生、不要な本を持ってくる人、亡くなった家族の蔵書を売りに来た人までさまざま。

本と人との出会いを通した物語です。

【作品の見どころ】

本作の見どころは、本を愛する青年店主とお客様とのふれあいです。

筆者もそうですが、本が好きな人は、それこそ恋人を大切にするような感じで本を扱います。

私自身は本を販売する立場から、紹介する立場に変わりましたが、今でも基本は素晴らしいと思った作品を紹介することにあるつもりです。

本作は、本が好きな人すべてに手に取ってもらいたい作品です。

【作品データ】
・作画:児島青
・出版社:KADOKAWA(HARTA COMIX)
※公式ページで試し読みできます
・刊行状況:既刊1巻(以下、続刊)