満たされているのに満たされていない思いを描く『ハツコイノツギ』

恋のカタチは人それぞれ。初恋がそのまま実った人がいれば、何度か恋した末にやっと実ったという人もいるでしょう。もしかしたら、なんとか結婚したものの、結局は別れてしまったという人もいるかもしれませんね。

今回紹介するのは、初恋の次の恋で結ばれたものの、なぜか片思いしているような気になってしまう夫婦を描いた、志村貴子先生の『ハツコイノツギ』です。本作には『こいいじ』に登場したキャラクターが登場しています。

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【作品紹介】

本作の主人公は、岸千佳(ちか)と赤井駿(シュン)。結婚後は、千佳の姓・岸を名乗っています。

ふたりは10歳差の新婚カップルで、喫茶店で働くシュンに一目惚れして、告白・結婚しました。

夫婦仲は大変良く、幸せいっぱいな毎日のはずですが……。

シュンの幼馴染で初恋の人・まめの存在が気になって、不安が募っていきます。

そんなふたりの成長を描いた作品です。

【見どころ】

本作の見どころは、子どもっぽいところがあるちかとシュンが、結婚を通してお互いに成長していく過程にあります。

物語の中で、ちかは「大好きなシュンくんと結婚したのに(シュンくんも自分を好きでいてくれるのに)、自分はずっと片思いしているみたいだ」と悩んでいます。

不安に思っているときというのは、自分で勝手に悩んで、その悩みを大きくしてしまうこともあるでしょう。

そういうときは、不安なんて消えてしまえばいいのにと思ってしまうかもしれません。

そんな気持ちを通して、ちかもシュンもお互いに大人になっていく過程を味わえる作品です。

【作品データ】
・作者:志村貴子
・出版社:講談社(KISS)
コミックDAYSにて、一部の話を試し読みできます
・刊行状況:既刊1巻