作者はもちろんのこと、編集担当者や校正担当者、原作者などさまざまな人が関わってできるのがマンガ。その中でも、編集担当者は作品のスケジュール管理、ネームの確認や事実確認といった校正が主な仕事です。
その他にも、企画の提案やストーリーへのアドバイスや情報提供なども行っています。時には、リクエストに応じて体を張ることもありそうですね。そんな雑誌編集者と作者のつながりを描いた作品として、萩原あさ美先生の『編集の一生』を紹介します。
【作品紹介】
本作の舞台は、大手出版社の中学館。主人公は、漫画雑誌マーベラスで編集を担当している縦山です。ある日、彼は看板作家・横沢の担当を引き継ぐことになりました。
編集者になって7年。ヒット作を出していないことにコンプレックスを持っている縦山は、横沢のマンションに向かう中で「大ヒットさせるぞ!」と張り切りますが、いきなりのトラブルや無茶な要求に悪戦苦闘中。
仕事のために、どこまでなら許されるのか。
いい作品を作るために奮闘する編集者と、振り回す漫画家の絆を描く物語です。
【作品の見どころ】
本作の見どころは、いい作品を作ろうと張り切る編集担当者をうまく振り回す漫画家とのやり取りにあります。
横沢はいい作品を作るために、ダッチワイフを使ってのキスの再現やさまざまなやり取りの再現を、縦山に求めます。
しかし、いざとなるとなかなかできない縦山。
そのたびに「作品のためにどこまでできるのか?」その覚悟を問うてくる横沢。
そのやり取りは、時には仕事を超えているようにも思えてきて。
仕事に迷っている皆さんに、ぜひ呼んでもらいたい作品です。
【作品データ】
・作者:萩原あさ美
・出版社:小学館(ビッグコミックスペリオール)
※公式ページにて試し読みできます
・刊行状況:既刊3巻(以下、続刊)