主人公と作者が離婚!でも漫画『将棋の渡辺くん』は続くよ

講談社「別冊少年マガジン」で連載中の『将棋の渡辺くん』(伊奈めぐみ)が話題になっています。

『将棋の渡辺くん』は日本将棋連盟所属の棋士である渡辺明九段の日常を、妻である漫画家の伊奈めぐみ先生が描くエッセイ漫画です。タイトル通りに渡辺九段が主人公。それと共に作者の伊奈先生も頻繁に登場します。まあ、奥様なので当然と言えば当然なのですが。

基本的には渡辺九段の棋士としての仕事や日常について、若干の演出を加えて面白おかしく漫画化しています。作中に「95%は本当、残りの5%のフィクション」とあるように、渡辺九段の発言は、ほぼそのまま掲載されているようで、藤井七冠(現在)の「すーん」など、独特の表現や見方は将棋ファンの間で度々話題になってきました。

棋士にとって重要な仕事である対局において、昨年末と今年早々、渡辺九段が難しい形勢にも関わらず膝の不調により投了(将棋で負けを宣言すること)する事件が起きました。『それだけ足が痛かったんだろうなあ』と想像できるのですけれども、負傷・手術に至った一番の原因がフットサルによるものだったことも、本作で描かれています。

そんなこんなで2013年より続いてきた漫画連載。直近の掲載「別冊少年マガジン」2月号にて、お二人が離婚した経緯が描かれています。なんと11月22日(いい夫婦の日)に離婚したとのこと。その辺りはウケ狙いでしょうか。ただし、同居は継続、本作の連載もまだまだ続くことも描かれています。

2月号では同時掲載で紫綬褒章を受章したことが描かれており、その授賞式で天皇陛下より「足のお怪我は大丈夫ですか」とお声をかけられたことを明かしています。作中で渡辺九段は「何で知ってんの??」とのけぞりつつ驚いていますが、陛下よりお声をかけられたことは事実なのでしょうけれども、「何で知ってんの??」とのけぞった部分などは演出なのでしょうね。

伊奈先生のブログ(https://inaw.exblog.jp/)も以前のタイトルは「妻の小言」でしたが、今は「只の小言」に変更。「同居継続・漫画継続で生活に変化はなく、今後ブログに書く内容も特に変わりません。」と表明しています。「こんな関係もあるんだなあ」と思って、今後も楽しんでいきたいと思います。

【作品データ】
作者:伊奈めぐみ
連載:講談社「別冊少年マガジン」連載中
刊行状況:1~7巻発売中、以下続刊