出所後の犯罪者はどうなるのか?その実態を描く『帰る家がない犯罪者たち』

法務省の犯罪白書(令和4年版)によると、刑法犯の再犯者率は48.6%とのこと。重大犯罪を犯した人ほど再犯しやすいと言われており、犯罪者が真の意味で構成することの難しさを表しています。

住所がなければアルバイトさえもできないのが現代日本社会。これはそのとおりで、多くの再犯者は、生活基盤が整わないことで再犯に走り、社会復帰が困難になります。その実態を描いたのが、高崎ひいろ先生の『帰る家がない犯罪者たち』です。

【作品紹介】

自立準備ホーム「希望の家」が物語の舞台で、協力雇用主でもある「明日組」の社長・吉村英雄とホーム運営担当の吉村房江夫妻を中心に、刑期を終えて刑務所から出てきて間もない元犯罪者たちが更生するさまを2~3話のオムニバス形式で描く物語です。

https://platform.twitter.com/widgets.js

【作品の見どころ】

一度罪を犯すと、多くのケースで親類縁者や知人から、一切の関係を絶たれます。

最初にも書いたように、住所がなければ正社員としての仕事はおろか、アルバイトとして働くことさえできないのが現代日本社会です。

物語の舞台となっている「希望の家」などの自立準備ホームでは、法務省の保護観察所から委託を受けて、住む場所と仕事を提供して彼らの自立支援を行っています。

出所者に対する再犯防止のための支援を知るためにもおすすめの一冊です。

【作品データ】
作者:高崎ひいろ
出版社:芳文社(週刊漫画TIMES)
刊行状況:既刊2巻
公式ページにて、第1話を試し読みできます