サブカル女子ふたりによるオタク百合コメディ『陰キャキャルでもイキがりたい!』

多くの人が「サブカルチャー」という言葉を聞いたことがあるでしょう。その名の通り、主流派ではなく一部の人たち(いわゆるオタク)から支持を得る文化のことを言います。たとえば「マンガ」や「映画」は、その代表格ともいえる存在です。

サブカル好きな人たちは、たとえミーハーだとしても少しでも多くの人に、自分たちの好きなものを知ってもらいたいと思っています。そんなサブカル女子とミーハー女子の掛け合いを描いた作品が、かしわぎつきこ先生の『陰キャキャルでもイキがりたい!』です。作者は、マンガ家・イラストレーターの他、衣装デザイナーやカフェ「atelier renard」のオーナーなど、幅広く活動なさっています。

【作品紹介】

本作の主人公は、副次文化研究部(サブカル部)に所属する市子と九蘭。

キャラ設定は、下記のとおりです。

  • 市子:ミーハーで流行りものに惹かれやすい女子高生
  • 九蘭:あらゆるサブカルが好きで、濃いオタク語りを展開する女子高生

ふたりはかわいいものに目がなく、サブカル好きな令和の女子高生。しかし、陰キャでコミュ症という共通点があります。

そんなふたりが好きなものへの愛を語り、嫌いなものをdisる新時代青春モラトリアムストーリーです。

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【作品の見どころ】

『陰キャキャルでもイキがりたい!』の見どころは、そのものズバリでミーハーな市子とサブカル大好き九蘭の掛け合いです。

九蘭はあらゆるサブカルに詳しく、知識も豊富。しかし、その知識を披露する文字量多めの早口オタク語りには、ちょっとしたdisりも入っています。

たとえば、市子がクラスの陽キャ女子にすすめられた映画を見に行く際、つい話題の恋愛映画のポスターを見て斜に構えてしまいます。しかし、その一方で「結局は作品にして出す人が一番偉い」「どんな映画体験にも価値はある」とリスペクトも忘れてないのです。

また、徐々にネットワークビジネス部やコスメ部など、他のサブカル系の部活とも絡むなどふたりともいい味を出しています。

百合要素に関しては、やや弱めな部類に入るかもしれません。

しかし、主人公ふたりが常に一緒にいる描写が多く、九蘭が市子に対して頻繁に「かわいい」というなど、いつもいちゃついている雰囲気が感じられます。

いわゆる隠れ「バカップル」な雰囲気が好きな人に、おすすめしたい作品です。

【作品データ】
作者:かしわぎつきこ
出版社:一迅社(コミック百合姫)
公式ページで試読できます
刊行状況:既刊2巻