好意を持った男子生徒と女性教員の物語『生徒と恋はできません!』

やや古い調査ですが、「学校の先生に恋したことがありますか?」という質問に「はい」と答えた高校生は、約14%(出典:スタディサプリ)。1クラス40人と仮定すると、5~6人程度は先生を好きになったことがあるという計算になります。

実際には「教員による児童生徒性暴力防止法」などの法律により、子供との性的な関係は禁止されています。それでも、教師も人間です。高校生くらいになれば、タイプかもと思う人がいるかもしれません。高校生と知らずに恋愛感情を持ってしまった教師の恋愛物語が、尾崎海老太郎先生の『生徒と恋はできません!』です。

【作品紹介】

本作の主人公は、26歳女性で臨時教員の上野奈々子。物語は、アパートの窓から筋骨隆々のお兄さんの姿を見ているところからはじまります。

そのお兄さんは、一ヶ月前から工事現場にやってきた作業員。高身長かつ超低音の声でガタイもよく、奈々子はひと目見て格好いいと思って恋してしまったのです。

しかし、工事が終わると来なくなってしまいます。

しばらく経ってから高校時代の友達(いつメン)と居酒屋で飲んでいると、そのお兄さんに再会することに。

告白したあとで年齢を聞くと、お兄さんだと思っていた彼は17歳の高校生・水城心太郎。

しかも、異動先の高校では教師と生徒の関係になってしまい……

そこからはじまった恋の物語です。

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【見どころ】

本作の見どころは、ズバリ奈々子と心太郎の恋です。

先生の側は恋愛関係になってはいけないとわかっているので、奈々子はなんとかして一線を越えてはならないように線を引こうとします。

しかし、心太郎はそのことをわかっていても、先生を好きな気持ちを止められずにアタックしようとするわけです。

最初にも書いたように、先生と生徒の恋愛は明確に禁止されてはいません。しかし、自治体によっては懲戒処分などの厳しい処分が課されたり、マスコミに報道されたりするなど厳しい目が向けられがちです。

そのあたりの事情を踏まえている先生がストップをかけ、生徒の側はなんとかして自分の気持ちを伝えようとする、その駆け引きが今後の作品を盛り上げていくキーポイントとなるでしょう。

【作品データ】
・作者:尾崎海老太郎
・出版社:講談社(マガジンポケット)
マガジンポケットで試し読みできます
・刊行状況:単行本未刊行(2025年2月に1巻発売予定)