仕事としては大変そうだけど、一度は覗いてみたいと思うのがマンガ家の世界です。実際、調査機関によって順位は異なるものの、マンガ家は将来なりたい職業で上位10位以内に入っています(出典:ニフティキッズ)。
新人マンガ家を中心に、アシスタントや担当編集などを交えて、そこから垣間見えてくる世界を綴った作品として、くずしろ先生の『笑顔のたえない職場です。』を紹介します。
『雨夜の月』が更新されました。
10月28日に『雨夜の月』7巻と『笑顔のたえない職場です。』10巻に重版がかかります。
新刊の『雨夜』8巻と『笑顔』11巻は来月11月20日に発売されます。
宜しくお願いします。
画像は2作品の新刊のカバーの初校です。 https://t.co/S6lundoE3Y pic.twitter.com/lIKIp4AlpY— くずしろ/葛城一 (@kuzushiro) October 12, 2024
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【あらすじ】
本作の主人公は、新人マンガ家の双見奈々。その脇を、アシスタントの間瑞希(はーさん)と担当編集の佐藤楓が固めます。この3人が、作内に登場する主要人物です。
締切間際で原稿作成に追われている、奈々と瑞希のやり取りから物語がスタート。
奈々は、マンガ家によくある職業病をこじらせながらも、なんとか原稿を提出。そのたびに、アシスタントのはーさんや担当編集の楓に慰められたり激励を受けたりしています。
本作は、奈々を中心としてマンガ家にありがちな日常を描く、お仕事ドタバタコメディでありソフト百合です。
【見どころ】
本作の見どころは、マンガ家を主人公にしたお仕事コメディとしても、ソフトな百合(ガールズラブ)としても楽しめる点にあります。
●お仕事コメディとして見た場合
主人公でもある双見奈々の元ネタは、作者のくずしろ先生。ところどころで登場する、マンガ家のあるあるネタもやけにリアルなものばかりです。
たとえば、作中に角館塔子という女流棋士が登場するエピソードがあります。彼女は、ビッグコミックスペリオールで連載中の『永世乙女の戦い方』の登場人物ですが、連載しているからこそ、その取材シーンにもリアルさが出てきます
その他にも、アシスタントのはーさんがやる気を出すために、チアリーダーの格好をして照れる図など、ギャグ漫画としての側面もあり存分に楽しめるでしょう。
●ソフト百合として見た場合
先にも書いたとおり、主要登場人物は3人。
- 双見奈々(マンガ家・主人公)
- 間瑞希(アシスタント・はーさん)
- 佐藤楓(担当編集)
話が進むにつれて登場する準レギュラー格が、4人います。
- 角館塔子(取材先の女流棋士)
- ねこのて(アシスタント)
- 梨田ありさ(アシスタント時代の先輩)
- 滝沢先生(双見と梨田がアシスタントをしていた先生)
特に百合要素が強いのは、はーさんと楓のふたり。
基本的には、なかなかテンションの上がらない双見先生を盛り上げる役どころですが、時折尊いものに昇華させるような表情を見せるところが魅力的に映えます。
基本的にはお仕事コメディですが、時折見せる百合成分。その両方を楽しみたい方におすすめです。
【作品データ】
作者:くずしろ
出版社:講談社(コミックDAYS)
※コミックDAYSにて試し読みできます
刊行状況:既刊11巻(以下続刊)