立ち上がった教師の記録『アテナの卒業式 中学校教師菜花さきの戦い』

恩師への憧れから教師になりたいと思う人は、今でも多くいます。その一方で、実際に教師になると授業に部活、保護者対応にかかる忙しさで心を病むなどして、退職を余儀なくされる人も少なくないのが実情です。

「それが教師だから」と諦めている現実があります。しかし、誰かが戦わないと変わらないのも、また事実です。そんな中、同僚に起きたあるできごとをきっかけに、学校を変えようと立ち上がった若手中学校教師の物語として、戸井理恵先生作画、のぶ先生監修の『アテナの卒業式 中学校教師菜花さきの戦い』を紹介します。

【作品紹介】

本作の舞台はとある公立中学校。そこで中学校教師として働く菜花さきが主人公です。

理想を持って教師になったさきでしたが、実態は部活の指導や保護者からのクレーム、授業中の死後の注意など、理想とはかけ離れたことばかり。

なんとか同僚の励ましもあって続けてこれましたが、励ましてくれた同僚が休職をしてしまいます。

さきは「これではいけない」と、学校を改革することを思い立ち行動する、戦う教師を描いた物語です。

【見どころ】

本作の見どころは、教育現場のリアルさにあります。

教師は体罰を禁止されているので、うかつに手を出せないことをいいことに生徒はますます増長。少しでも厳しく言おうものなら、保護者からクレームが来るので、そこも慎重にならざるを得ません。

そんな中で戦う現場の苦悩が描かれている本作。

学校のあり方を考えている人、必読の書といえるでしょう。

【作品データ】
作画:戸井理恵
監修:のぶ
出版社:WEBゼノン編集部(コアミックス)
公式ページにて、一部を試し読みできます
刊行状況:既刊1巻(以下、続刊)