最終選考に残った6人の密室での心理戦!『六人の嘘つきな大学生【プラス1】』

「嘘つきは泥棒のはじまり」や「嘘も重宝」など、嘘にまつわることわざ・格言は多く見られます。ここから見てもわかるように、時には必要な嘘もあれば、自分の利益のために吐く嘘など信用を失いかねない嘘もあるので、使う時は注意が必要です。

さて、これが就職活動中に出た嘘であれば、内定を獲得するため、どのような嘘をつき駆け引きするのか。人事担当者はその嘘を見抜けるのでしょうか。その内幕を描いたのが、浅倉秋成先生原作、杉基イクラ先生キャラクター原案、大沢形画先生作画の『六人の嘘つきな大学生【プラス1】』です。本作は2022年の本屋大賞にノミネートされて話題を集めました。

【あらすじ】

成長著しいIT企業でもあるスピラリンクス。そのスピラリンクスが、満を持して初めて実施した新卒採用に、5,000人以上の学生が応募してきました。

その中から、最終選考に残ったのは下記の6人。

  • 波多野祥吾(R大学・バランス型)※主人公
  • 嶌衣織(W大学・頭脳明晰)
  • 九賀蒼汰(K大学・リーダータイプ)
  • 袴田亮(M大学・元高校球児でムードメーカー)
  • 矢代つばさ(O女子大学・国際派でコミュ力強め)
  • 森久保公彦(H大学・情報収集力に長けている)

6人を集め、人事部長の鴻上達章が放ったのは「最終選考はGD(グループディスカッション)を実施する」という言葉でした。

「ディスカッションの出来次第では、全員に内定を出すこともあり得る」と言っていたものの、後に「採用枠は1名。その1名は皆さんで決めてください」という通達がきます。

最初はみんなでチームを組んで、全員で内定を得るべく力を合わせていた彼らでした。しかし、採用枠の縮小が発表されると、そこからそれぞれの思惑が入り、彼らの「嘘」と「罪」をさらけ出す心理戦のスタート。

果たして、内定は誰のものに?

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【見どころ】

採用枠が1名のみとなったことで、激しい椅子取りゲームの様相となった最終選考。

そんな中、彼らがディスカッションを行う会議室におかれていた、謎の封筒を見つけます。

そこに書かれていたのは、6人の裏の顔を暴露する情報でした。

それにより、内定をめぐる議論は混乱を極めることに。

二転三転する選考の行方と、封筒を用意した犯人を暴く過程の描写が本作の見どころです。

本作は、コミカライズ版と小説版があります。

コミカライズ版ではオリジナル要素も交えて描かれており、映画公開前の11月1日発売予定の3巻でタイトルについている「【プラス1】」の謎が判明します。

小説も購入して比較しながら読んでみると、より深く楽しめるのではないでしょうか。

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【作品データ】
・作者:大沢形画
・原作:浅倉秋成
・キャラクター原案:杉基イクラ
・出版社:KADOKAWA
カドコミでも読めます
・刊行状況:既刊2巻