『ゴルゴ13』最新作の舞台となった東京・六本木を見てきました

『ゴルゴ13』(さいとう・たかお、さいとう・プロ作品)最新作の舞台となった東京・六本木を見てきました。

世界を股にかけて活躍するスナイパーのゴルゴ13。もちろん日本を舞台としたシリーズもあり、「【ご当地漫画紹介・番外編】『ゴルゴ13』に登場する日本のアチコチ」(http://comic-candy.com/archives/20563)では、東京、京都、山形を舞台とした作品を紹介しました。10月10日発売のビッグコミック18号と25日発売の19号に前後編で掲載の「女の平和」では東京・六本木を舞台としていましたので、ちょっと出かけてきました。

「女の平和」は元アイスランド大統領であるベルディス・インガルドゥティル(モデルはアイスランド第4代大統領のヴィグディス・フィンボガドゥティル)が六本木劇場で反戦劇の上演を企画したことがきっかけ。それを知ったロシア側はひそかに上演中止を狙って動き、それを察知した日本政府はゴルゴ13にロシア側の動きを制するよう依頼します。

当初、地下の下水道から潜入しようとしたロシアの工作員3人はゴルゴ13に察知されて即死。こちらは港区近辺の下水道やマンホールと思うのですが、残念ながら特定できませんでした。次に工作員は東京タワーからウィングスーツで上空を滑空して六本木劇場の屋上から侵入しようと試みます。そこで再度のゴルゴ13の出番となりました。

まず舞台となった六本木劇場ですが、名前の似ている「EX THEATER ROPPONGI」とは別物でしょう。 1954年のこけら落としで『女の平和』を上演し、2025年4月で閉館することから「俳優座劇場」がモデルと思われます。ただしガラス張りである劇場の外見は「EX THEATER ROPPONGI」に寄せてあるようにも見えます。

六本木ヒルズの展望台から東京タワーと俳優座劇場の間をみるとこんな具合。飛んで飛べないこともない…のかなあ。まあ工作員なら飛べるんでしょう。そして東京タワーから滑空するロシア工作員3人をゴルゴ13が狙撃します。

「じゃあ、六本木ヒルズから丸見えじゃないの?」と思ったかもしれません。ゴルゴ13が狙撃場所に選んだのは「ここが防衛庁の跡地でなければ、展開も違ったかもしれんな」のセリフから、防衛庁本庁檜町庁舎があった現在の東京ミッドタウンでしょう。ご覧の通り、こちらの屋上であれば六本木ヒルズの展望台からも見ることは困難です。六本木ヒルズの屋上からなら見えそう?…日本政府が手を回して、その日は立ち入り禁止にでもしているのでしょう。

そして依頼人からの指示を受けて、工作員が外務省飯倉公館の敷地に墜落するようゴルゴ13は狙撃します。確かに町中に狙撃死した工作員が墜落したら大騒ぎになってしまいますからね。工作員が架空したと思われる外苑東通りから東京タワーをみるとこんな具合。

 

また外務省飯倉公館の前から東京タワーを見た景色がこちらです。

 

作中の描写とは異なりますが、左の塀の中にある駐車場に墜落したと思われます。ただし写真の通り飯倉公館の手前には麻布台ヒルズの森JPタワーがあります。工作員が緩やかに曲がってビルを避けたとして、それを計算に入れつつゴルゴ13が狙撃したとずれば、まさに神業でしょう。ただし巻き込まれた格好の日本政府がゴルゴ13にいかほどの依頼料を支払ったのか気になります。なにせ税金でしょうしね。

「ビッグコミック増刊号」では『ゴルゴ13』のスピンオフ作品として、ゴルゴが信頼する銃器職人(ガンスミス)のデイブ・マッカートニーを主役とした『銃器職人・デイブ』と、ゴルゴ13の血を引く娘の可能性がある少女ファネット・ゴベールを主人公とした『Gの遺伝子少女 ファネット』を交互に連載中です。『ゴルゴ13』のように、この2人も日本で活躍してくれないかなあと願うばかりです。

【作品データ】
作品:ゴルゴ13
原作:さいとうたかを
作者:さいとう・プロ
連載:小学館「ビッグコミック」連載中
刊行状況:1~214巻発売中、以下続刊

【作品データ】
作品:銃器職人・デイブ
原作:さいとうたかを
作者:さいとう・プロ
連載:小学館「ビッグコミック増刊号」連載中
刊行状況:1巻発売中、以下続刊

【作品データ】
作品:Gの遺伝子少女 ファネット
原作:さいとうたかを
作者:さいとう・プロ
連載:小学館「ビッグコミック増刊号」連載中
刊行状況:1~2巻発売中、以下続刊