世界で一番ちいさな手術の物語『ドクターチルドレン~小児外科医~』

乳幼児から15歳くらいまでの子どもを診察対象とするのが小児科。いわゆる総合病院・大学病院では、内科的処置をする科を小児科・新生児科、子どもに外科的手術を行うかを小児外科というように分けています(千葉大学大学院医学研究院 小児外科学より)。

講談社の医療・福祉をテーマにしたマンガ作品には人気作が多く、今年ドラマ化された『アンメット-ある脳外科医の日記-』や『はたらく細胞』、産婦人科医を描いた『コウノドリ』などがあり、発行部数は累計で1億部を突破しています。その中から今回紹介するのが、秋野桜花先生の『ドクターチルドレン~小児外科医~』です。

【あらすじ】

「子どもの臓器は大人のミニチュア」と思われがちです。しかし、子どもの臓器は臓器として未発達。経過観察時は注意深く気を配ることが求められ、手術も必然的にかなりの高難易度になると言われています。

そんな子どもの手術に向き合うのが、本作の主人公でもある小児外科医・星野櫻子。ピカピカの金髪に山盛りのピアスをつけたヤンキーみたいな風貌に加え、子どもと本気で張り合う性格のため、外来にかかった患者さんからは誤解されがちです。

しかし手術の腕は抜群。高い空間認識能力と卓越したボディコントロールがあり、彼女の手術は魔法のよう。その手腕で数々の手術を成功に導きます。

虫垂炎、包茎、先天性食道閉鎖症、胆道閉鎖症、交通事故など、子どもがさまざまな病や外傷を負った時、その卓越した手術で小さな命を守っていくさまを描く物語です。

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【見どころ】

『ドクターチルドレン~小児外科医~』は、扱うテーマが小さなお子さんがいる方にとって、かなり身近なテーマを扱っていることが特徴です。

8月22日に発売された1巻では、下記の疾患が取り上げられています。

  • 嵌頓(かんとん)包茎
  • 異物の誤飲
  • 急性虫垂炎
  • 大腿骨頭すべり症
  • 先天性食道閉鎖症
  • 転倒事故

苦しんでいる我が子を見て、母親があたふたしていた時、櫻子は母親に「苦しんでいるのは、あなたの子ども。母親だったら、シャキッとしなさい」と一喝。その言葉を聞いて、母親は我に返ります。

子どもには同じ目線で接する一方、親御さんには極めて冷静に接します。それでありながら涙もろい一面があり、感謝の言葉を述べられると隠れて号泣。褒められると、とたんに恥ずかしがるなど、普段見せる顔とのギャップもまた魅力的です。

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【作品データ】
・作画:秋野桜花
・出版社:講談社(モーニングKC)
COMIC DAYSで試し読みできます
・刊行状況:既刊1巻(以下、続刊)