サッカーでつながる!サポートしてきたママと子どもの絆『MA・MA・Match』

サッカーは、全世界で約2.6億人の競技人口があります。日本ではどうかというと、プロ選手も含めて男女合計で約80万人、そのうち女子は約5万人(日本サッカー協会のデータより)。大人になってサッカーをはじめるとなると、かなり少ないのが現状です。

どちらかといえば、母親になるとスポーツ(部活)を頑張る子どものサポートが主な役割。そこにスポットを当て、子どもを支える母親の心理・葛藤を描いた作品が、末次由紀先生の『MA・MA・Match(マ・マ・マッチ)』です。本作は、2022年に連載終了した『ちはやふる』から約1年の充電期間を経て、読み切り作品として掲載されました。

【『MA・MA・Match』とは?】

主人公は、45歳の相川成実。小さな映画広告会社に勤務する会社員です。夫、17歳の息子・拓実、10歳の娘・瑠実の4人で暮らしています。2人の子どもはサッカーに没頭している中、拓実が「サッカーを辞める」と告げたのです。

頑張りを見守ってきていて、苦しそうな表情を見せていることに気づいていたこともあり、その決断を理解できる一方で寂しさも募っていました。

そんなある日、いつものように娘の練習に付き添っていると、ママ友の芦原沙耶に出会います。

10歳の長男・圭人がサッカーが上手なことを鼻にかけて母親をバカにした態度をとること、夫も加担してくることに腹を立てていた沙耶。ふたりの態度を改めさせたい沙耶は、成実に「一緒にサッカー選手になりませんか?」と声をかけます。

その後、子どもとママのフットサルマッチへと発展し……

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【作品の見どころ】

子どもは小学5年生で、これから技術を身につけて上達できる年代です。

それに対して、アラフォーからアラフィフのママたち。彼女たちは、合気道やバレーボール、バスケットなど他競技の経験はあるものの、サッカーはやったことありません。

サッカー素人の母親たちが、それぞれの子どもと本気で向き合うべく、あえて相手のフィールドで戦うカッコ良さ。息子の圭人と旦那が部屋を散らかして妨害しようとするのを見て、一旦は試合出場を断念しようとした沙耶も、ママ友の奮闘を見て試合に出場。

本気で家族のことを思っていなかったら、あれだけの覚悟はできないでしょう。

家族の絆を再確認できる一冊です。

夢中になれるものがない人は、ぜひ彼女たちの奮闘を読んでみてください。

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【作品データ】
・作者:末次由紀
・出版社:講談社
コミックDAYSでも読めます
・刊行状況:全1巻