JNNの世論調査によると、法的に同性婚を認めることに全体で63%が賛成。特に若い年代でその割合が高く、30歳未満の男性で4分の3、同じく30歳未満の女性では9割以上が賛成しているという結果が出ました。
しかし、実現するための課題となるのは法律の整備だけではなく、ジェンダーに関する問題の解決などやるべきことは山積みです。結婚と幸せのあり方を考えるきっかけとなる作品として、コダマナオコ先生の最新作『嘘つき花嫁と同性結婚論』を紹介します。
https://x.com/powder705/status/1776188034486300744
【『嘘つき花嫁と同性結婚論』とは?】
主人公は、会社員として働いている鴫沢玲。これまで仕事に邁進してきて、キャリアを積み重ねてきました。
玲は未婚で、同性愛者。「子どもが熱を出した」「結婚することになったから二次会の幹事を」「産休になったからプロジェクトの引き継ぎを」など、異性婚者の都合にばかりつきあわされる社会に辟易気味の毎日です。
そんな時、かつての同僚で寿退社した五嶋紗也とばったり出くわします。もろにタイプで好意を抱いていた玲でしたが、紗也はあっさり彼氏と結婚。そのまま会社も退職したのです。
世間話をして帰ろうとした時、紗也に「行くところがないのでひと晩泊めてほしい」と頼まれます。
偶然の出会いから始まる、既婚者と同性愛者の百合物語です。
https://x.com/powder705/status/1725287654475145562
【見どころ】
本作の見どころは、やはり既婚者であるはずの紗也に振り回されている玲の戸惑うところでしょう。
紗也はタイプの女性で、かつては好意を抱いていた時期も。そのことから、少しだけとはいえ同居できていることに嬉しい感情もありながら、既婚者の紗也に遠慮している描写が愛おしく見えてきます。
彼氏がいるのに、ノンケ(異性を好きになる人)なのかバイ(両性愛者)なのかわからない思わせぶりな態度を取ってくる人がいますが、まさに紗也はそんなタイプそうですね。
そんな紗也にも、悩みがあります。
それは、結婚した旦那さんと折り合いが悪いこと。
会社員時代は、仕事を諦めていたこと。
自分に存在価値がないと思っていること。
コミックスの帯にも「レズビアンですが、あざとい人妻に利用されています」とあるように、確かに利用されている感があります。それでも、惚れた者の弱みで何日も泊まらせてあげている玲と、それを無意識で利用している紗也の関係がどう変化していくのか。
コダマナオコ先生の作品は、どれも一筋縄ではいかないストーリー展開を見せるのが特徴なので、今後の展開も非常に楽しみです。
https://x.com/souk0908/status/1787785427212243141
【作品データ】
作者:コダマナオコ
出版社:一迅社
刊行状況:既刊1巻