気軽に読めることで人気の高い「ライトノベル」いわゆるラノベ。カバーや挿絵の他、舞台背景がわかりやすく補足されており、わかりやすい点が青少年だけでなくあまり読書習慣がない人たちにも人気です。
大手の「小説家になろう」では、100万以上の作品が掲載されています。その中で、年間ランキング1位を取った作品が、今回ご紹介する『魔女と傭兵』です。超法規的かえる先生の原作小説は2021年6月に投稿開始され、あっという間に人気作品となりました。
【『魔女と傭兵』とは?】
本作の主人公は、魔女のシアーシャと傭兵のジグ=クレイン。物語はふたりが住む大陸からはじまります。
魔獣や魔術が消滅した大陸では、魔女は未知の存在として恐怖の対象です。
そんな中、魔女を討伐するための部隊が立ち上がり、ジグはそれに参戦。
討伐部隊はシアーシャの繰り出す魔術に、成すすべなしで壊滅の一歩手前まで追い込まれます。
そんな中、ジグは魔術をかわしつつ、接近戦に持ち込むことで勝利を収めます。
あとは、シアーシャの首を捕るところでした。しかし、すでに依頼主が死んでいることもあり、あえて殺さずに立ち去ろうとしたその背に「私の護衛を依頼します」というシアーシャの声が聞こえます。
「魔女も傭兵も、死んで当然の軽い命」と思っていたこともあり、かつての自分と重ねて葛藤します。しかし、シアーシャの「誰にも追われることのない場所へ連れて行って」という声を聞き、その依頼を受けることに。
本作は、異世界に渡った軽い命を持つふたりの、存亡をかけた異世界冒険ストーリーです。
https://x.com/witch_mercenary/status/1792027402836860938
【見どころ】
『魔女と傭兵』の見どころは、シアーシャとジグの関係性の変化にあります。
最初は「お前の事情に興味はない」など、そっけない態度を取っていましたジグでした。しかし、少し世間知らずなところもあったシアーシャは、護衛とともに自身の指導役を頼み、さまざまな知らないことを教えてくれるジグに心を開きます。
ふたりが渡った異大陸は人間も魔術を使う世界。能力の強弱はあるにせよ、見た目は人間も魔女も変わりません。ジグを見て、人間の良いところに触れようと思っていたシアーシャは、この世界で冒険者として生きる決意をするのです。
それとともに、もともとの話好きだった一面も顔をのぞかせるようになり、人間社会に溶け込んでいきます。
もともとは、世間から「軽い命を持つ者同士」と思われている魔女と傭兵がタッグを組み、異世界にわたって自分たちの生きる場所を求める冒険ストーリーですが、見方によっては異世界にわたったことで自らの生き方を見つめ直す物語ともいえるでしょう。
原作小説はWEB小説として人気が出て、GCノベルズ(マイクロマガジン社)で3巻まで刊行。高い人気を誇っています。夢中になって読めるので、これからも小説・コミカライズともに楽しみに読み続けられそうです。
https://x.com/witch_mercenary/status/1788494119775723861
【作品データ】
作画:宮木真人
原作:超法規的かえる
キャラクター原案:叶世べんち
出版社:講談社
※マガポケで読めます
刊行状況:既刊1巻
※小説は3巻まで刊行(マイクロマガジン社)