世界一稼ぐフットボールプレーヤーを目指す男の物語『ナリキンフットボール』

サッカーの走行距離は、1試合平均で約10kmです。多く走る選手は12~13km前後で、多く走っている人の中には14kmという選手もいます。その他には「スプリント(全力疾走)」もデータとして記録されているそうです(参考:スポジョバ)。

もちろん天性の身体能力や運動能力による差は、少なからず影響するのは確かです。しかし、小さな差であればデータを駆使することで逆転することもできます。平凡なサッカー選手が、データを見て弱点を突くことで勝利に導き、世界一稼ぐフットボーラーを目指す様子を描く作品が『ナリキンフットボール』です。

【『ナリキンフットボール』とは?】

主人公は鼓屋我王。J1リーグ優勝チームの東京レックスに所属している、守備的な選手です。

そんな彼は、少しでも自分のお金を殖やすために、株などの投資に抜かりがありません。

彼は、自身の能力を「プレーヤーとしては並」と自覚しており、そのかわりにデータを集めて攻略法を探ることに長けています。

優勝のかかった試合でも相手DFの弱点を突いて、見事に優勝に貢献しました。

当然、年俸はアップすると思っていましたが、GMから発せられたのは「契約満了」という言葉。

その本音は、金にならん奴とは契約したくないというものでした。

オファーはJ2の北九州モンキーズしかなく、年俸900万円で移籍して「世界一稼ぐフットボールプレーヤー」という目標に邁進していきます。

【物語の魅力】

物語の魅力は、圧倒的な身体能力や運動能力を持っているわけではない我王が、データを基に攻略法を見つけ、頭脳で勝っていく点です。

J1優勝を決めた試合でのアシストや、移籍後の新加入選手同士でのミニゲームなどで、丁寧に描かれています。

絵柄も丁寧な他、試合での迫力や普段のおちゃらけた様子など、人間的魅力があふれる部分もしっかりと描かれているので、今後の展開が非常に楽しみな作品です。

【作品データ】
・作画:明石英之
・原著:清水海斗
・出版社:講談社(ヤングマガジン)
※PC・スマホでもヤンマガWebより一部読めます
・刊行状況:既刊2巻