『アンメット ある脳外科医の日記』がフジテレビ系列でドラマ化

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医療系の作品は、古くは半世紀以上前から存在し、マンガ・小説・ドラマとも人気の高いコンテンツです。相変わらず、医療系作品は医師もしくは看護師が主人公になる割合が高い傾向にあり、医療の高度化に伴って専門的な内容に絞られる傾向にあります。

その中でも、難易度の高い診療科目ともいわれる脳神経外科医に焦点を当てた『アンメット~ある脳外科医の日記~』が、今年4月より関西テレビ制作・フジテレビ系列にてドラマ化。本作は元脳外科医の子鹿ゆずる氏が原作を担当し、コミックスは14巻まで発行されています。

【アンメットとはどんな作品?】

舞台は、関東にある総合病院・丘陵セントラル病院。そこに勤務している脳外科医・三瓶友治が主人公です。

丘陵セントラル病院に赴任する前、アメリカのフィラデルフィアにある病院を解雇されたところから物語がスタートします。

三瓶は自他ともに認めるワーカホリックで、仮眠室がほぼ生活スペースという状態で、臨床と研究を両立させています。しかし、他の医師と違うのは、患者の病変だけでなく、人間そのものを見る姿勢です。

ちょっと強引なところもあり、衝突もしばしばあるものの、周囲の理解もあり着実に実績を積み重ねます。

脳は人間の記憶や言語などをつかさどる重要な部位ですが、その病態はあまり知られていない点も多くあります。本作は、作品を通して脳神経外科で扱っている疾患について、詳しく説明しているマンガです。

【ドラマの見どころ】

ドラマ版では、主役の三瓶友治役が若葉竜也さん、川内ミヤビ役に杉咲花さん、看護師長の津幡玲子に吉瀬美智子さん、救急部長の星前宏太役が千葉雄大さんが演じています。

ミヤビは脳外科医でありながら、記憶障害を負ったことで、かつての研修先だった丘陵セントラル病院での仕事は、医師ではなく看護助手。

そんな彼女や看護助手を行わせている病院職員に対して、このようにいいます。

「障がいのある人は、人生をあきらめてただ生きていればいいと思っているんですか?」

そして、当のミヤビには「大丈夫。川内先生ならできます。昨日を覚えていなくてもあなたが生きてきた日々は確かにあるんです」と言って、脳外科医への復帰を後押ししているのです。

三瓶やミヤビが持つ、脳外科への情熱が届くのか、楽しみに見ています。

【ドラマの反響】

掲載誌(モーニング)でも人気がある作品ということもあり、ドラマの反響も大きいものがあります。

マンガの実写化というと、作品のイメージを壊すなどの理由で何かと敬遠されがちですが、本作はほぼイメージ通りといえるでしょう。

実際、ドラマへの評価も高く、SNSでも好意的な声が寄せられています。

原作も、原作者の子鹿ゆずる氏が最新の論文をリサーチするなど、新たな症例にも積極的に取り組んでいるので、ドラマともども楽しみです。

【作品データ】
作画:大槻閑人
原作:子鹿ゆずる
出版社:講談社(週刊モーニング)
COMIC DAYSにて、一部無料で試読できます
刊行状況:既刊14巻