「鶏が先か、卵が先か」という言葉があります。これは、哲学や科学でよく使われる、2つの関連する物事について原因を追求する意味で使われたり、矛盾する関係を示す意味で使われたりする言葉です(学研キッズネットより)。
子どもは男女がいなければ産まれてきませんし、どのように育つかは誰にもわかりません。さて、未来からタイムリープしてきた青年が現れ、突然親子関係を告白されたらすぐに受け入れられるのか。おそらく多くの人にとって、難しいし混乱するでしょう。奇妙な出会い方をした(自称)親子二人が、幸せを見つける物語として、辻やもり先生の『卵と鶏』を紹介します。
‟年上„の息子の母親になる話
(1/12)#卵と鶏 #漫画が読めるハッシュタグ #prhttps://t.co/xIbWRlGXhY pic.twitter.com/iQNsvA21Rv— 辻やもり (@yamori_tsuji) March 14, 2024
主人公は、26歳の鈴原鳴海。貧しく複雑な家庭で育った彼女は、現在は裕福だがDV傾向のある彼氏・加賀拓郎と都内の高級マンションで暮らしています。彼氏はお金持ちなので金銭面では充実している毎日ですが、心の方はどうにも満たされません。
そこに現れたのが、息子を名乗るもう一人の主人公・29歳の鈴原慶。未来からやってきたという彼に、鳴海は不信感を覚えます。令和6年(2024年)生まれで、出会ったのが令和5年(2023年)なので、怪しまれても無理はないですよね。
そのままおいていこうとも思ったものの、直後に放たれた「母さんは今、幸せですか?」という言葉に答えることができず……。その直後、DV彼氏に目撃され暴行されたことで、本当の気持ちに気づいた鳴海は「あなたとは別れる」といって逃げ出すのです。
そこから、数奇な親子の奇妙な同居生活が始まります。
鳴海の親があまりにも酷くて怒りで涙が止まらなかった。憎しみをぶつけるなら元妻であって鳴海ではない。せめて詩帆は鳴海の味方であって欲しい…あと拓郎は鳴海に依存している気がする。DV最低野郎だけど、本当に鳴海が傍にいなくなれば、墜ちて行きそう。#卵と鶏 pic.twitter.com/TezYpdaOWf
— YUNI (@jOEnWYPpdOr4IQt) March 18, 2024
物語の見どころは、この数奇な親子の行く末でしょう。DV彼氏は暴力を振るうだけでとんでもありませんが、鳴海の親もとんでもない存在です。何しろネグレクトを繰り返し、鳴海にだけ冷たい態度を取っており、それを見て妹の詩帆も苦しんでいます。
「幸せ」を探している鳴海と慶が、最終的にどこでその答えを見つけるのか。そして、産みの母を見つけられるのか。慶は、母親を最後まで守り切ることができるのか。
少し重ためな話ですが、テンポもよく絵柄もキレイにまとまっています。今後の展開が楽しみです。
先日TLに1話だけ流れてきた時に気になって即購入しました
読みやすいテンポと綺麗な絵
応援します!(続刊待ってます)
#卵と鶏 #辻やもり pic.twitter.com/bpDvcuVbG7— 藪田 有朱香 漫画:乳癌笑病記 (@ask508) March 19, 2024
【作品データ】
作者:辻やもり
出版社:芳文社(週刊漫画TIMES)
※公式ページで第1話が試し読み可能
刊行状況:既刊1巻