伝説誕生か!? 『スナックバス江』原作者疑惑のあるアカウントがYouTubeに自主制作アニメを投稿

北海道札幌市にある場末のスナックで、変わり者の店員と客たちがエキセントリックなトークを繰り広げる人気ギャグ漫画『スナックバス江』。

今年1月からTVアニメも放映されていた本作だが、その終了直後となる4月9日、YouTubeにTV版とは異なる同タイトルのアニメ『スナックバス江』が投稿された。これが原作者によるアニメ製作陣への痛烈な意趣返しではないかとSNSでトレンド入りするほどの話題を呼んでいる。

(※記事執筆時点で公式からのアナウンスは出ていません)

投稿された動画は3分ちょっとの短さで、声優にはずんだもん・四国めたんなどフリーの読み上げソフトを起用。キャラクターの動きもさほど多くない。十分に個人レベルで作れるものだろう(クオリティは相当高い)。

この動画投稿者は「ネメシス」という名義だが、原作者本人ではないかとネット民が推測するおもな根拠は以下のとおり。

  • 投稿された直後に作者のX(Twitter)アカウントがこの動画をシェアしている
  • 自作アニメで再現されたシーンは、TV版で大きく原作改変されて物議を醸した部分
  • このアカウントで投稿された動画は1本だけ

ちなみにネメシスという言葉には、コトバンクによれば「人間の高慢な言動に対する神の怒りと、神罰としての報復の擬人化」という意味がある。作品世界を創り出した神(=作者)から、勝手に原作を改変した高慢な人間(=アニメ製作陣)へ報復したと解釈すれば、この動画投稿者が原作者のフォビドゥン澁川氏であるという説の辻褄は合う。

別の見方としてはTVアニメの改変に不満を持ったファンが動画を作成、その公開時刻を原作者にあらかじめ知らせておいたから即座にシェアされた……と考えることもできるだろう。ネット上ではネメシス=原作者という説が主流のようだが、現時点で真相はわからない。

なお、TVアニメ『スナックバス江』には別のトラブルもあった。放映期間中に監督がXで不用意な発言をして炎上し、アカウント削除してしまったという一件だ。

1クールの短い放映期間でこれだけ物議を醸したアニメ化漫画はきわめて珍しい。結果がプラスになるかマイナスになるかは今のところ不明だが、作品の認知度が上がったことは間違いないだろう。

ここまでいろいろ憶測をまじえつつトラブルの話題を書いてきたが、筆者個人としては原作漫画・TVアニメ版ともに違った味わいがあって好きだ。

漫画はハイテンポで畳みかけるような会話や先が読めないドタバタ展開が楽しく、対するTVアニメはまったりした会話シーンが現実のスナックにいるような気分にしてくれる。スナックを舞台装置と割り切った原作漫画、スナックの雰囲気を丸ごと再現しようとしたのがTVアニメといったところか。

話題となった経緯はさておき、トーク主体のギャグ作品として秀逸なのは間違いない。漫画またはTVアニメ、場合によってはYouTubeの非公式アニメでもいいので、未見の方はこの機会にぜひ『スナックバス江』に触れてみてほしい。