【快挙】スタジオジブリの『君たちはどう生きるか』がアカデミー賞長編アニメーション賞を受賞

1937年に吉野源三郎先生が著した『君たちはどう生きるか』。80年経った2017年8月にマンガ版で出版された同作は、半年後には発行部数145万部を記録するほどのヒット作になりました。

『君たちはどう生きるか』は、2023年8月に宮崎駿さん(スタジオジブリ)によりアニメ映画化。ニュースでも取り上げられ、皆さんもご存知のとおり、第96回アカデミー賞で長編アニメーション賞を受賞。日本のアニメ作品としては、『千と千尋の神隠し』以来21年ぶりの快挙でした。

『君たちはどう生きるか』とは、1937年に発売された同タイトルの作品を原作としたものを、羽賀翔一先生がコミカライズした作品です。

原作では「コペル君」とあだ名された少年・本田潤一君が、身の回りで起こった小さな事件を通して成長する物語と、それを見守る叔父さんの手記が交互に出てくる構成でした。マンガ版では、成長物語を書く一方で、手記は原作の文章をそのまま掲載。作品としての躍動感と手記の深みが浮かび上がってきます。

また、コペル君と叔父さんともに成長していく点を強調することで、多くの人が気づきを得られる作品に仕上がったのです。

特に印象に残ったのは、コペル君の友人が上級生にいじめられていた時、「助けに行かないと」と思う一方で、体を動かすことができず、最終的に友人は彼の元を去っていきます。

これに対し、叔父さんは「過ちを犯すことはあるが、自分で自分を決定できるからこそ立ち直れる」と説きます。このように、叔父さんが残した手記を読むことで、主人公が少しずつ大人になっていくところが見どころと言えます。

アニメ映画版の声優は、主人公の眞人に山時聡真さん、青サギに菅田将暉さん、その他にもあいみょんさんや柴咲コウさんが出演。

さまざまな世界の表と裏を伝える作風で大きな話題となり、アカデミー賞の他にもフロリダ映画批評家協会賞、英国アカデミー賞なども受賞しています。。

【作品データ】
作画:羽賀翔一
原作:吉野源三郎
出版社:マガジンハウス
刊行状況:全1巻