全社会人必読の法律ドラマ『さよならブラック企業~ヒーロー弁護士如月樹の本懐』

もし、あなたが「働くとは何ですか?」と質問されたら、どのように答えますか?「生活のため」という人、もしくは「夢のため」と答える人もいらっしゃるでしょう。どれが正しい・間違っているというわけではなく、それぞれの答えがあります。

令和3年6月1日現在、日本にある企業等の数は約368万社。従業員全員が気持ちよく働けるよう配慮している企業がある一方、残念ながらパワハラや長時間労働などが横行するところ(いわゆるブラック企業)もあるのが現実です。そんなブラック企業と対峙する弁護士・労働者を描いた物語として、『さよならブラック企業~ヒーロー弁護士如月樹の本懐』を紹介します。本作は、『さよならブラック企業 働く人の最後の砦「退職代行」』の続編です。

物語の主人公は、前作に引き続き水城リコ。新米弁護士になったところで前作が終了して、本作では弁護士になって2年後が描かれています。

物語は、アソシエイト弁護士として勤務する「きさらぎ法律事務所」からスタート。先輩弁護士の不知火から紹介されたのが、本作で主要人物となる如月樹です。今回の舞台となる弁護士事務所は、ハラスメント相談や労災・過労死訴訟などの労働問題を専門に扱います。

最大の魅力は、戦うことを選んだ労働者とそれを支えるリコ、保身に走る上司を追い詰める樹。それぞれのキャラクターがいきいきと描かれている点です。

普段の樹は、特撮オタクでリコに延々とその素晴らしさを語り続け、ドン引きさせています。しかし仕事のスイッチが入ると、徹底的に相手を理詰めで追い込む強さがあります。立場の弱くなりがちな人にとって、こういう弁護士がいたらかなり頼りになるでしょう。

監修している弁護士のコラムも入っているので、労働問題で苦しんでいる人は、ぜひ読んでみてください。

【作品データ】
作者:外本ケンセイ
監修:竹内瑞穂(弁護士)
出版社:少年画報社
刊行状況:既刊1巻