一目ボレからはじまる王道の学園百合『ささやくように恋を唄う』

近年多くのファンがついているガールズラブ(百合)。同じ百合でも、純粋な一目ボレをテーマにした作品があれば、際どい性描写のある作品や異世界が舞台になったものなど、物語の設定もさまざまです。そのため、読者によって好きな作品も異なります。

その中で、王道の学園百合をテーマとした作品が、今回紹介する竹嶋えく先生の『ささやくように恋を唄う』(いか、『ささこい』)です。本作は、2021年の第5回百合漫画総選挙において恋愛部門・総合部門1位に輝くなど、2019年4月の連載開始以来多くの人気を獲得しています。

岡山県にあるとある学校を舞台として展開する物語の主人公は、二人います。高校1年生の木野ひまりと、高校3年生の朝凪依です。

物語は、高校1年生になったひまりが、入学式初日に新歓(新入生歓迎会)で演奏していた「SSGIRLS」のサポートメンバーとして参加していた依を見て一目ボレするところからはじまります。

想いを抑えきれないひまりは、その日のうちに依のところに行って「一目ボレしました」と告白。依もそんなひまりに惚れ込んで、次の日会いにやってきた彼女に「あたしも一目ボレなんだよね」と伝えます。

ただ、ふたりの想いにはどこかすれ違いが起こっているようで……。

ふたつの一目ボレからはじまった、クールな先輩と天真爛漫な後輩の恋愛物語です。

そんな作品のオススメポイントはふたつ。

  • 作者のイラストがかわいい
  • 主人公ふたりと周囲の絡みがいい

【作者のイラストがかわいい】

作者の竹嶋えく先生は、マンガの作画を手がけている一方でさまざまなライトノベルでイラスト原案をしているイラストレーターの顔も持っています。

そのため、描かれているキャラクターもかわいく、その心理状態が表情だけでも察せられるほどです。

その絵柄のレベルの高さにファンがついているほど。

【主人公ふたりと周囲の絡みがいい】

『ささこい』は先輩と後輩の恋模様を描く、いわば王道の学園百合といえるストーリー展開です。

実際、主人公のひまりと依がお互いに一目惚れするところからスタートしていますが、それはお互いの想いのすれ違いから、順調に進むわけではありません……。

そこに周囲にいるキャラクターの想いや過去も入り混じりながら展開して、ストーリーも白熱していきます。

このように、心の距離の移り変わりも繊細に描かれているのが、オススメポイントです。

【作品データ】
・作者:竹嶋えく
・出版社:一迅社(コミック百合姫にて連載中)
・刊行状況:既刊8巻