きらら系で麻雀は成功するか『ごきげんよう、一局いかが?』

いろんな萌え4コマを提供してきた芳文社のきらら系ですが、「まんがタイムきららCarat(キャラット)」にて、麻雀をテーマにした『ごきげんよう、一局いかが?』(卯花 つかさ)が好評連載中です。

本作はお嬢様学校である鳳女学院を舞台とした4コマ漫画。主人公の北王子冴(きたおうじ さえ)は入学早々インフルエンザにかかり1週間休んでしまったために、クラスで孤立していました。しかし、休んでいた時にはまったアプリ麻雀が元となり、徐々に友達が増えていく、とそんなストーリーです。

なお、卯花先生は2010年から14年まで「まんがタイムきららフォワード」で『はじおつ。』を、16年から20年まで「まんがタイムきららCarat」で『アニマエール!』を連載されていました。間にアンソロジーなども描かれていますが、きらら系では約2年ぶりの連載です。

「それって麻雀じゃなくても良いんじゃないの?」「ギターだったら、ぼざろだね」と言ってしまえば、その通りです。きらら系の定番となる女子高生+α(アルファ)が麻雀だったってことです。α部分がキャンプであれば『ゆるキャン△』(あfろ)ですし、ロックであれば『ぼっち・ざ・ろっく!』(はまじ あき)となるでしょう。でも、まあ、今回は麻雀だったってことで。

過去のきらら4コマで麻雀が無かったかと言えば、そうでもないんですよね。2019年には『雀の戯』(千野智)がゲスト掲載されています。しかし本格連載には至らなかった様子。

きらら系を離れると麻雀なら竹書房!ですが、こちらも『信長の忍び』などの代表作がある重野なおき先生が『雀荘のサエコさん』を連載されていました。連載は100話に至り、単行本は全5巻が発売されていますが、あまり話題にはなっていませんでした。主人公はカワイイですし、ストーリーも面白いんですけどね。竹書房のプッシュが足りなかったか。

さて『ごきげんよう、一局いかが?』に話を戻しましょう。通常の4コマ漫画は1ページに8コマ配置しますが、本作は表紙や時折挟むストーリー部分を除いて、基本的に1ページに横長の4コマを配置するワイド4コマと呼ばれる形式です。コマ数が少ない分、展開は遅いのですが、描き込みがしっかりあって絵的には楽しめる形です。

そう、展開が遅いんですよ。最新の「まんがタイムきららCarat」6月号では、ようやく牌の名称(イーピン、キューマンなど)を覚えようとしています。まあ、ゲームアプリで遊ぶ分には牌の名称どころか、ルールが適当でも何とかなっちゃいますしね。

そんな状況にも関わらず、雀荘(じゃんそう、麻雀を実際に遊べる場所)に行く話題に盛り上がります。中等部3年で唯一の経験者である東海林純礼(しょうじ すみれ)に「黙って打てるようになってから言えなの!!」と怒鳴られるのも当たり前です。

ちなみに、他のキャラの名前は、神南千星(かんなみ ちせ)と西園寺乃々花(さいおんじ ののは)です。名前に東南西北(トン・ナン・シャー・ペー、「東西南北(とうざいなんぼく)」の麻雀式の読み方)が入っているのはお約束ですね。単行本は1巻が発売中。コピーに「少女たちの初々しいプレイに笑えて癒される麻雀4コマ」とあるのですけれども、麻雀部分は期待値を低めに留めて、女の子達がキャッキャウフフするいつものきらら系漫画と思ってご覧ください。

【作品データ】
作者:卯花 つかさ
連載:芳文社「まんがタイムきららCara」連載中
刊行状況:1巻発売中、以下続刊